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アメリカ大統領選
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ボトルに入ったフレンチドレッシング。冷蔵庫から取り出した時は層になってスパッと分かれている。しかし、食べる前にボトルをせっせと振ると、酢と油は混ざり合って濁り、一体化する。この状態を“乳化”という。 ごくシンプルに捉えると、乳化とは、水と油など本来混ざり合わない液体の一方を微粒子にして他方に分散させること。この細かい液体の粒子を分散相、ベースとなるその周りにある液体を連続相という。水と油の乳化には、分散相が油、連続相が水である水中油滴型(O/W型)と、その逆の油中水滴型(W/O型)がある。前者の代表は牛乳やマヨネーズ、後者はバターやマーガリンなどだ。 先ほどのドレッシング、振るのをやめた途端、また2層に分かれてしまうのは周知のこと。このように混ぜ合わせただけでは乳化はキープできない。このとき必要となるのが、水と油の境界に作用し、細かい粒子のまま留まらせる乳化剤である。すべてのタンパク質に乳
マリネとは、低pHの液に漬けること ルネッサンス時代から西洋では、マリネは主に菌の繁殖を防いで保存したり、腐敗臭を抑えて食べやすくする下処理であった。しかし最近では、硬い肉を軟らかくしたり、風味付けしたりするなど、おいしくするための方法として用いられているようだ。 そこで、まずは「マリネとはなんぞや?」という定義をしてみたい。<新ラルース料理大事典>の「マリネする」の項には、香味を付けた液体に材料を一定の時間浸し、軟らかくして香りを付けることとある。フランス料理の世界では、この液体をマリナードと呼び、加熱するとマリナード・キュイ、そのまま用いるとマリナード・クリュ。これにはワインか酢が欠かせないようで、その観点からマリネとは「低pHの液体に一定の時間、素材を漬けること」という定義が見えてくる。 pHとは、酸性やアルカリ性を測る“物差し”の値のこと。0~14まであり、7が中性で、7より小さけ
鰻屋の前を通ると感じる何とも言えない甘辛い香ばしさ、隣の家から漂ってくるカレーのスパイシーな香り…。鼻をくすぐるそれらは、まさしく垂涎の匂いだ。香りはおいしさを予感させ、両者を結びつける大切な要素。香りがなければ味気ないことは、鼻づまりの時にものを食べた経験から、誰もが知っていることだろう。 料理人は素材そのものの香りを引き出すだけでなく、スパイスやハーブ使いに代表されるように“香りの表現”にも力を注ぐ。「中華料理は多種の香味油やスパイスなどを駆使する、香りの料理です」とは『ラヴェニール・チャイナ』の今村浩之さん。『料理屋 仁』の中林秀仁さんは、「日本料理には、吸い口や天盛りなど伝統の手法がありますが、ジャンルに拘わらず、可能性を試したいですね」と話す。 “香りが溶ける”メカニズムとは まずは香りの性質を整理してみよう。今回も、農学博士である川崎寛也先生を監修に迎えた。「香りの素である香気
プロ×プロ 料理を深める技 プロの料理人が自分のテクニックを別の料理に人に教えるとどうなるか? 過去(07年2月号~08年12月号)に本誌で連載され、好評を得た企画「プロ×プロ 1日料理塾」をホームページ用にアレンジしました。 ぜひとも続けてお読み下さい。
『あまから手帖』2010年2月~12月号より転載 監修/川崎寛也 撮影/下村亮人・岡森大輔・東谷幸一 文/木佐貫久代 イラスト/岡田 丈
ここ数年で、『エル・ブリ』に代表される液体窒素やアルギン酸ナトリウムなどを使った前衛的と言える料理が日本にも浸透してきた分子ガストロノミーの研究者であるエルヴェ・ティス氏が提唱する、すべての料理を公式で表し再構築する考え方も料理人に認知され始めている。それらも確かに料理を科学的に捉える一側面だが、本連載は「煮る」「焼く」など、もっと身近にある調理を中心に科学することを目的とする。高下駄履いた親父さんが「技を盗んで、目と舌で覚えろ!」と弟子たちに仕込んだ料理も、紐解いてみれば、実は科学で裏打ちできる。それらを解き明かすことができれば、よりおいしく、もっと最適な調理ができるのでは? まず、「調理と調味」について考えてみたい。様々な工程はあるが、仮に調理を「切る」「加熱」「調味」の3つに大別する。「調味」は最終的な料理の風味に関わる要素が大きく、和食、中華など料理ジャンルを決める要因となる。一方
大阪市福島区福島5-17-20 tel.06-6458-1153 熟成のピークを見極める技の第一人者。スズキ、ワタリガニ、ハモ、甘鯛まで、貝やウニ以外はほとんど熟成させるという。 京都市中京区堀川通御池西入ル tel.075-812-2366 今や京都を代表する実力派イタリアン・シェフのひとり。京野菜の積極的な活用など、話題の素材や技術には常に敏感。 この連載始まって以来の“革命的”かつ“スキャンダラス”な技術、かもしれない。魚の熟成と言っても、鮒寿司や鯖寿司の話ではない。造りや、焼き魚の話なのだ。「造りは鮮度が命、という考え方は間違いだ!」と豪語する『う越貞』主人・貞さん。氏が徹底する魚の熟成は、基本ほとんどの魚が〆て2日め以降。鯛を〆てから1日程度、寝かすことは、最近認知されてきたが、なんとアオリイカを1週間寝かせてから造りで出すことさえあるというから、ほとんど未知の領域だろう。 魚介
子どもとごはんvol.2:実はフランス郷土料理プレート。兵庫・夙川『Bistrot et Vin 20区』
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