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衆院選
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最初に断っておいたほうがいいかもしれません。私自身は地球温暖化についてはIPCCと同じ意見です。つまり、地球温暖化はほぼ確実に起きていて、その原因は人為的なものである可能性が高いと考えています。その意味で気候変動に対して否定的なトランプ政権の方針には批判的です。以下の文章は、そういう視点で書かれていることに注意してください。 * さて、トランプ政権の発足前、彼が大統領選に勝利したときから、サイエンスのコミュニティでは彼の科学政策を不安視する声がありました。そのひとつが気候変動の問題です(他にもワクチンの問題などがありますが、まだ噂レベルなので今回は触れません)。トランプ氏は選挙期間中から気候変動問題は存在せず、過剰な環境規制が経済を圧迫していると主張してきました(選挙期間中に「気候変動の話は中国のでっち上げだ」とTwitter でツイートして問題になったのを覚えている人もいるかもしれません
The Grand Prismatic Spring in Yellowstone National Park Jim Peaco, National Park Service(Public Domain) イエローストーン国立公園の火山が2週間以内に噴火するかもしれない、というニュースが話題になっていました。見出しを見た瞬間に疑ってかかるような類の記事ですが、信じている人も少なからずいるようなので少し調べてみました。 イエローストーンの巨大火山 2週間以内に噴火の恐れ – News – サイエンス – The Voice of Russia これは、イエローストーン国立公園の下にある巨大火山が2週間以内に噴火する恐れがあると、同国立公園所属の地質学者ハンク・ヘスラー氏が発表した、というニュース。結論から言えばデマです。少なくともハンク・へスラー氏はそんなことは言っていません1。 ちなみに
2013-10-03 13:00 JST First Post 2013-10-04 10:00 JST USGS、FDAを追記 2013-10-04 10:45 JST MAVENの凍結回避について追記 2013-10-06 02:00 JST NRAOについて追記 2013年9月、米国議会において「医療保険改革法」をめぐって民主党と共和党が対立、新会計年度が始まる10月1日になっても暫定予算が承認されず、行政サービスの一時停止が敢行されました。緊急性の高いものを除き、多くの政府業務が停止、限られた職員で運用を行っている状態です。当然ながら、サイエンスの分野でも少なからず影響が出ています。 多くの研究機関などで業務が停止、日常的な業務や研究活動だけでなくWebサイトやSNSなどを通じた情報提供などが止まっています。これらの機関が運用しているデータベースなども、アクセスできなくなったりデー
2012年6月5日、アメリカ国家偵察局がNASAに2機分の監視衛星のスペアをNASAに供与するというニュースが流れてきました。これは4日付けのWashinton PostとNewYork Timesが報じたもので、これを受けてNASAが記者会見を開いたようです。 2紙の記事、およびNASA WatchのTwitterアカウント @NASAWatchでの記者会見の内容をざっくりまとめるとこんな感じ。 アメリカ国家偵察局がNASAに2機分の監視衛星のスペアを供与 供与されるのは主鏡と副鏡、鏡筒、ラジエーターなど カメラなどの観測機器、ソーラーパネルや姿勢制御装置などは含まれていない 主鏡直径2.4-meter、ハッブル宇宙望遠鏡の100倍の視野 主鏡はハッブルより軽く、焦点距離はより短い。全体の大きさはハッブルの半分 現在は製造された工場に保管されている 現時点ではNASAではこの件については
日食の話をしましょう。2012年5月21日に日本全国で金環日食が見られます。国内で見られる日食としては2009年以来約3年ぶり、これほど広い範囲で見られるのは数百年ぶりの機会です。どこでどんなふうに見られるか、どうやってみたらいいのかについてはあちこちに沢山解説があるのでそちらに譲ります。 ref. 2012年5月21日 金環日食 (国立天文台) ref. 「金環日食2012」特設サイト (アストロアーツ) ここでお話したいのは日食の観察の時に気をつけなくちゃいけないことの方です。もう聞き飽きているかもしれませんが、せっかくなので少し違う話をしたいと思います。 日食の解説をしているサイトにも注意事項が沢山乗っていますよね。あれをしちゃダメ、これをしちゃダメ…色々書いてありますが、でもなんでダメなんでしょうか?それは太陽の光と人間の目の性質に深い関係があります。今からするのはそういうお話です
はやぶさの帰還からちょうど1年たった2011年6月13日、東京国際フォーラムにて、20世紀FOX映画『はやぶさ』の公開を記念したプレスイベントと、期間限定の情報施設「はやぶさi」の内覧会が行われました。 プレスイベントや展示の内容は各メディアやブログですでにたくさん紹介されていますので、ここではちょっと違う話をしましょう。ご紹介したいのは、この「はやぶさi」の展示品の一つです。 はやぶさiの片隅に一台のキーボードが飾られています。栄養ドリンクの箱に支えられた古びたキーボード。始めて見る人は、なんでこんなところにキーボードが?と思うかも知れません。でも実はこれは日本の宇宙開発の歴史に残るキーボードなんです。 名前のラベルからもわかるように、これは当時カメラチーム/広報担当だった寺薗淳也先生が所有されていたもの。「はやぶさ」が小惑星イトカワにタッチダウンしたあの夜、運用室からブログのリアルタイ
いつの間にか「地球外生命体の発見」ということになっていてずいぶん盛り上がったNASAの発表ですが、実際は「リンの代わりにヒ素を使う生物の発見」というものでした。 ref. NASA-Funded Research Discovers Life Built With Toxic Chemical (NASA) (なーんだ、がっかり…) いえいえ、これ、本当にすごいことなんです。リンは、生物の体の中で遺伝情報をつかさどるDNA、体を構成するたんぱく質、エネルギーの代謝を行うATPなど、これがなかったら生き物じゃない、みたいな主要な部分に使われている元素です。これがほかの元素に入れ替わっていた、というのは生物の教科書を書き換えなくちゃいけないほどの大ニュース。 これまで地球の生物は炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、リンを主要な構成元素とすると考えられてきました(もちろんほかの元素も使われていますが、
News Release アメリカ東部標準時12月2日午後2時、日本時間翌3日午前4時にNASAが宇宙生物学上の発見に関して記者会見を行う、と発表しました。 NASA Sets News Conference on Astrobiology Discovery; Science Journal Has Embargoed Details Until 2 p.m. EST On Dec. 2 すわ、地球外生命の発見か!と言いたいところですが、多分違います。根拠はリリースの文言。 NASA will hold a news conference at 2 p.m. EST on Thursday, Dec. 2, to discuss an astrobiology finding that will impact the search for evidence of extraterrest
2010年9月11日、種子島宇宙センターから、日本初の測位衛星「みちびき」が打ち上げられました。みちびきはGPSを補間する衛星で、現在 数十mの誤差があるGPSの測定精度を1m以下まで高めたり、GPSの影になりやすいビルの間や山間部で位置測定をするための実験などを行います。 みちびきは長時間日本の上空に留まる準天頂軌道と呼ばれる特殊な軌道を描きます。日本の上空を通る準天頂軌道は、ちょうど静止軌道を41度傾けて、ちょっと引き伸ばして、ちょっとずらしたような形。こんな感じです。 赤い線がみちびき、青い線が静止軌道です(この図は模式的なものです。必ずしも正確な形や比率を表してはいません)。 赤道上の静止衛星は23時間56分で地球を一周します。おなじように、みちびきの軌道も23時間56分で一周です。これは、地球が一回自転するのにかかる時間と同じ。このため、静止衛星はあたかも赤道上の一点に留まってい
2010年6月3日、オーストラリアのアマチュア天文家アンソニー・ウェズリー(Anthony Wesley)氏が木星の表面で何かが2秒間に渡って発光するのをカメラで捉えました。同時刻、フィリピンの観測家クリストファー・ゴー(Christopher Go)氏も同じ現象を捉え、この現象がウェズリー氏のカメラの中ではなく木星で起きていることが確認されました。どうやらこれは木星に小さな天体が衝突した瞬間だったようです。 これがアンソニー・ウェスリー氏が撮影した木星表面の発光現象。左上に小さく光っている光点がそれです。たしかに明らかに表面の模様とは違うものが写っています。 さて、このニュース、肝は「また」というところ。木星に小惑星が衝突するのが観測されたのはこれで3回目。最初の観測は1995年のこと。シューメーカーレヴィ9彗星が木星に衝突しました。当時は数百年とも、数千年に一度ともいわれましたが、昨年
まずは、タイトルの話から始めましょう。”Gecko’s Eyes” というのは、「ヤモリの眼」という意味です。ちょっと変わったサイトにしたかったので、ちょっと変わった名前がいいなあと思ってつけた名前ですが… Gecko’s eyes see colors in the dark. “ヤモリの眼は闇の中に色を見る” 上の方に書いてあるなんだか思わせぶりなこのフレーズ、実はこれは比喩でもなんでもなく本当の話。ある種の夜行性のヤモリは暗い所でも色彩を見分ける能力を持っています。実は、これは驚くべきことです。人間を初めとする多くの生物では、色彩を見分ける能力と、暗い所でものの形を見分ける能力は両立できません。夜行性のヤモリはなぜかこの不思議な能力を持っているんです。 人間を含むほとんどの動物は2種類の視細胞を持っています。ひとつめは錐体細胞(すいたいさいぼう)、この細胞は色を見分けることができる代
2000年に「Garbage Collection」「Junkyard Review」という個人サイトを作って10年、気が付いたらサイエンスのことばかり書いていました。最初はただの日記のつもりだったんですが…。結局この10年で、僕はサイエンスファンを名乗るようになり、ただの趣味だったものがいつの間にか科学の本を作ったり(本職は自然科学書の編集者です)、科学に関する文章を書いたり(こちらは副業、某宇宙開発関連機関の子供向けサイトで解説記事を書いたりしています)して生活するようになっていました。びっくり。 いつまでもびっくりしているわけにもいかないので、とりあえず始めてみることにしました。これまでサイエンスニュースを追いかけたり、サイエンスの片隅で仕事をしたりする中で考えてきたことをふまえて、ネットというメディアで何ができるのか、もう一度試してみようというわけです。それが今回あらためて「サイエ
最初に断っておいたほうがいいかもしれません。私自身は地球温暖化についてはIPCCと同じ意見です。つまり、地球温暖化はほぼ確実に起きていて、その原因は人為的なものである可能性が高いと考えています。その意味で気候変動に対して否定的なトランプ政権の方針には批判的です。以下の文章は、そういう視点で書かれていることに注意してください。 さて、トランプ政権の発足前、彼が大統領選に勝利したときから、サイエンスのコミュニティでは彼の科学政策を不安視する声がありました。そのひとつが気候変動の問題です(他にもワクチンの問題などがありますが、まだ噂レベルなので今回は触れません)。トランプ氏は選挙期間中から気候変動問題は存在せず、過剰な環境規制が経済を圧迫していると主張してきました(選挙期間中に「気候変動の話は中国のでっち上げだ」とTwitter でツイートして問題になったのを覚えている人もいるかもしれません)。
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