読み上げに用いた文書は1923年11月、当時の県知事が内務省に宛てた「震災に伴う朝鮮人並に支那人に関する犯罪及び保護状況其他調査の件」で、145人の被害を記録している。追悼会を主催する実行委員会のメンバーたちは、30分かけて内容を朗読。145人のうち大半は氏名不詳で、氏名の記載は14人。名前を紹介して慰霊した。 実行委共同代表の山本すみ子さん(85)は「死が抹殺され、隠蔽(いんぺい)されてきた。名前を呼び、氏名不詳と呼ぶことで、会いにいきます」と語り、埋もれていた犠牲者たちの魂に寄り添った。山本さんらは昨年9月に新文書を公表した後、県にも調査を求めたが応じていないとして「行政に事実を認めさせていくことが大事」と強調した。