文化庁は7月下旬、日本遺産に認定している栃木県の足利学校などの「近世日本の教育遺産群」を「再審査」の対象にすると発表し、認定取り消しの可能性を示唆した。11日に開かれた足利市議会一般質問でこの問題が取り上げられ、市関係者に危機感が募る。本紙の取材に大島一彦教育長は「突然のことで全く納得いかない。国に説明を求めていく」と困惑気味に話した。(梅村武史) 歴史的建造物や伝統芸能といった有形、無形の文化財をテーマや地域ごとに一括認定する日本遺産は現在、全国に104件の登録がある。2015年度から制度化され、「近世日本の教育遺産群」は第1号認定。足利学校に加え、旧弘道館(水戸市)、旧閑谷学校(岡山県備前市)、咸宜(かんぎ)園跡(大分県日田市)の近世の4教育施設で構成する。 足利市教委文化課によると、4市で構成する「教育遺産世界遺産登録推進協議会」(事務局・水戸市)が認定後2度目の更新期となる2024