オムライス、つけ麺、カレー鍋…。一見バラバラなこれらの料理には、実は意外な共通点が。それはどれも元まかない食ということ。まかない食とはそもそも飲食店の従業員用の食事だが、なぜ全国で食べられる料理に成長したのか? オムライス発祥の洋食店「煉瓦亭」の店長・木田明利さんに聞いた。 「当店のオムライスは、溶き卵にご飯や具材を混ぜて焼きあげたもの。卵とご飯を混ぜて焼き上げるというのが珍しく、味もシンプルで美味しかったことで受け入れられたのではないでしょうか。1901年に、従業員が食べているのを見たお客様から注文されるようになり、口コミで広まって正式メニュー化されました」 なるほど。言われてみれば、つけ麺もカレー鍋も「ラーメンをつけ汁で食べる」、「鍋料理の具をカレーで食べる」という目新しさがあるし、味も受け入れられやすいものだ。では、メニュー自体の誕生のきっかけは? 「左手では仕事をしながら、右手