「当時の私は、極端な考えだとは思いながらも、『引越し屋とは分かり合えない』と割り切ってバイトを辞めた」 『今ウェブは退化中ですが、何か?』(中川淳一郎著・講談社)より。 【人間はそう簡単に分かり合えるものではない。どう頑張っても、分かり合えない相手は存在するのだ。人生は短い。絶対に分かり合えない人と分かり合う努力をするより、分かり合えそうな可能性のある人を選んで、その人を大切にしていくことが重要なのだ。 (中略) 決して分かり合えない人間がいると悟ったもう一つの契機は、1993年3月、日本に帰国して、大学に合格した直後のことだった。「大学に入学したら何かとお金が必要だ」と考えた私は、自宅からすぐ近くにある引越し屋でバイトを始めた。私はその引越し屋で、RとKという2人の社員との組み合わせで仕事をすることが多かったが、RとKが語る話の内容は「焼肉」「風俗」「借金」「競馬」「パチンコ」「会社への