域内での核兵器の製造・保有や使用を禁止した非核兵器地帯の創設は、人類の悲願である核兵器廃絶に向かう具体的措置の一つです。非核兵器地帯はいま、中南米・カリブ海、南太平洋、東南アジア、アフリカ、中央アジアに広がっています。 5月に開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議は、中東の非核地帯化に関する国際会議を2012年に開くことで合意しました。中東の非核化は、核兵器拡散の危険をなくすにも、この地域の緊張を緩和し、和平を促進するにも大きな意義をもっています。 イスラエルに放棄迫る 9月下旬に開かれた国際原子力機関(IAEA)総会には、イスラエルに対してNPT加盟とIAEAの包括査察を受け入れるよう求めた、「イスラエルの核能力」決議案が提出されました。 NPTは米ロ英仏中の5カ国以外の核兵器保有を禁止し、5カ国を含む世界の核兵器軍備の削減・撤廃を定めています。IAEAの決議案は、約80発の核兵器を保