高架の下に落ちて転がる五つの車両が、事故のむごたらしさを物語ります。生き残った人を救い出す活動が終わったあとも、行方不明の家族を捜す人がいます▼40人の死亡が確かめられた、中国・浙江省の高速鉄道事故。急停車していた列車に、時速120キロ近くで後ろから走って来た列車が追突した、といいます。ふつうでは考えられないような事故が、現実に起こってしまいました▼鉄道省が、落ちた車両の一部を解体し地中に埋めたりしたため、中国の人々の中で疑いが広がりました。「証拠隠しではないのか」と。中国国内だけでなく外国の人たちも、事故の原因をつきとめるよう求めています▼当然でしょう。「高速鉄道」とは、時速200キロ以上の列車をさします。いま新興国など多くの国で走らせる計画があり、そこへ日本やフランス、中国などが売り込もうとしています。「なぜ事故が?」は、各国にとって人ごとではありません▼大勢の人をいっぺんに運ぶ飛行機