福島市土湯(つちゆ)温泉町の旅館とホテル四つが9月に入って自己破産や事業を停止し、廃業しました。3月11日後、放射能の風評被害で客が激減したためです。阿武隈川水系の荒川の両岸に二十数軒が立ち並ぶ温泉街を訪ねました。(菅野尚夫) JR福島駅東口から出発した土湯温泉行きのバスは乗客が数人。同温泉に着いた時には記者を含めて2人だけ。「バスでくる客は少ない。自家用車か観光バスツアーで立ち寄るかです」と、お土産店の店員が教えてくれました。 土湯温泉は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の第2次避難所として利用されていましたが8月末で終了。9月から一般客だけになり、閑散としています。 バスを降りて川沿いに歩いて早乙女橋、月乃湯橋を過ぎると「いますや旅館」があり、玄関には自己破産を伝える張り紙がありました。荒川大橋を過ぎてさらに進むと「土湯温泉ホテル」です。ここにも自己破産の張り紙です。 いずれも9