ロシアが「自国の軍人・軍属保護」を口実にウクライナ南部のクリミア編入の動きを強めていることに対して、国際社会は厳しい非難の声を上げ、米国などは「侵略行為」と断罪しています。一方で、日本政府の反応の鈍さが目立っています。(竹下岳) 安倍晋三首相は10日の記者会見で、「すべての当事者に対し、自制と責任をもって慎重に行動するよう求める」と述べ、ロシアの責任をあいまいにしました。制裁を求める米国にも同調していません。 これは、プーチン大統領訪日を秋に控え、領土問題交渉への影響を懸念しているからです。相手の顔色をうかがう卑屈な姿勢です。 事実上の肯定 それだけではありません。自民党の石破茂幹事長は「(ロシアの軍事介入は)自国民保護であり、日本流に言えば邦人救出だ。動乱、騒じょう状態で自国民を救出するのは、武力介入とはニュアンスを異にするのではないか」(3日の記者会見)とまで述べ、事実上、ロシアの介入