新年度になり、街なかや電車などで、フレッシュな姿を見かけますが、この人たちを送り出した大学の卒業式での祝辞には、熱い思いが込められていました。いくつかを紹介すると―。 「悲劇なぜ」見つめて ○…「今年は、戦後70年という特別な年です」とのべた法政大学の田中優子総長は、同大が、卒業生在学中に「学徒出陣」をテーマにしたシンポジウムと展覧会を開催したことにふれ、「戦争中は学校が閉鎖され、大学生は兵士としてかり出されました。総長である私が、『お国のため』と称してあなたがたを戦場に送ることを想像してみてください。それは現実に起こったのです」と話しました。 田中氏は、「若者に過酷な道を歩ませた責任の重みを忘れることなく、この悲劇をもたらしたものをしっかりと見つめる」と誓った前総長の「平和の誓い」を受け継ぎ、次の総長に手渡すと決意を表明。「自分だけでなく社会全体の理想の未来を思い描き、それに向かって日々