オバマ米大統領が二つの戦争の“終結”を宣言しました。イラクからの米軍の年内完全撤退と、リビアでの北大西洋条約機構(NATO)による軍事作戦の事実上の終了です。大統領はこれらが「世界における米国の指導力の回復を強く裏づけた」と誇りました。 イラクとリビアでの戦争は、外国がこれらの国に軍事介入してその政権を転覆したものであり、市民に多大な犠牲をもたらしました。オバマ大統領の言葉とは裏腹に、国際社会は二つの戦争で米国が果たした役割と結果を懸念しています。国連憲章に基づく平和維持の強化が必要です。 国連憲章と相いれない イラクのフセイン政権もリビアのカダフィ政権も、国民を強権で弾圧した非民主的な政権でした。とはいえ、それを外部から武力によって倒すことは国連憲章に照らして許されません。憲章は紛争を平和的手段によって解決するよう義務づけ、侵略に対処する以外の武力行使を厳しく禁じています。 イラク戦争は