遅まきながら、山田洋次監督の「小さいおうち」を見に行きました。平日にもかかわらず、客席はいっぱい。ご年配が多いなか、若い人の姿も混じっていました▼映画の舞台は東京郊外にたたずむ赤い屋根のモダンな家。先の大戦前、そこに女中奉公できた若いタキが晩年、その家であったことを回想する展開で物語は進みます。何十年もの時を経て解き明かされていく秘密。揺れ動く心の機微に、引き込まれていきます▼一つの家の暮らしに光をあてながら、そこに忍び寄る戦争の影を山田監督は描きます。何もかもが窮屈になっていく重苦しさ。人びとは不本意に生きることを強いられ、やがて取り返しのつかない悲劇に巻き込まれていった時代を▼「ぼくは戦争中の日本の市民生活を知っている最後の世代。だから、どうしてもこれを今の観客に見せたい。あの時代の日本人がどんなふうに暮らしていたか、そして、どんなふうにしてこの日本という国が戦争に進んでいったかを、今
![きょうの潮流 2014年2月25日(火)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8510216a130e7d5e9d1c2a4860958f4849328594/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.jcp.or.jp%2Fakahata%2Fweb_img%2Fakahata-kakusan.jpg)