景気の底が抜けそうだとの不安に各国が駆られています。国際通貨基金(IMF)は、欧・米・日の成長鈍化などをあげて「世界経済は危険な新局面にある」と強い警戒感を表しました。 ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議とIMF・世界銀行総会は危機感を共有しながらも、具体策は個別努力にまかせた形です。G20本来の国際協調を生かすにも、対応の見直しが求められます。 金融規制を正面から 3年前の「リーマン・ショック」は、投機の道具と化した金融が実体経済を振り回す逆立ちした「グローバル」経済の異常さをあらわにしました。世界経済のこうした異常を正すべき改革が進まないことが、危機の連鎖を招いた一つの要因です。そのもとで、各国財政は金融による攻撃にもろさをさらし、先進国の金融緩和は景気刺激効果がないだけでなく、商品市場をさらに投機化して、国民生活に負担となっています。 欧州の懸念の的