TPP交渉 国民の疑問に答えねば(10月29日) 環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加をめぐる論議が本格化している。 野田佳彦首相は来月12、13日にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での交渉参加表明に前向きなようだ。これに対し、反対・慎重論が拡大し、野党にも広がっている。 首相は「早急に結論を得る」と述べているものの、国民的な論議が熟しているとはとても思えない。 APECが迫る中で、目立つのは政府・与党の混乱ぶりである。 民主党の前原誠司政調会長は「交渉参加後の離脱もあり得る」と発言したが、外務省は国際的信用を失うとして反対だ。交渉の基本的な対処方針が定まっていない証左だろう。 国論を二分している問題なのに中身はいまだに判然としない。 政府は先に24分野の交渉状況をまとめた。医療分野で医師会などが懸念する混合診療の解禁などは現状では9カ国の議論の対象外とした。