働き過ぎによる病気や自殺で家族を失った遺族と弁護士らが「過労死防止基本法」の制定を求める請願のため、全国で百万人の署名を集める活動を開始した。労働基準法による規制や、遺族による裁判を通じた社会への警鐘だけでは過労死はなくならないと考え、議員立法による規制で国や事業主の責務を明確にすることを求めている。 (稲田雅文) 「過労死や過労自殺は誰にでも起こり得ることを知ってほしい」。岐阜市の伊藤左紀子さん(62)は二〇〇七年十一月、岐阜市公園整備室長だった夫の哲さん=当時(54)=を失った。市庁舎八階からの飛び降り自殺だった。