政権交代から1年。菅直人首相と小沢一郎前幹事長との間であらそわれた民主党代表選は、民主党政権がどういう地点に立ち至っているかを示すものともなりました。 猛暑のなかあらわになった貧困の広がりと定着、引き続く不況のうえ追い打ちをかけた急激な円高、数万人単位で生まれた就職できない大卒者…国民生活の深刻な状況のなか、「いま代表選をやっている場合か」といったきびしい批判もありました。同時に、代表選の街頭演説会では、「この日本をどうするのか聞きたい」と期待する声もありました。民主党にとっても、国民への裏切りと迷走の末に政権を投げ出した鳩山前政権のあとを受けた菅政権が日米同盟強化と消費税増税路線を打ち出し、きびしい審判を受けただけに、その審判にどうこたえるのかが問われました。 メス入れず 代表選では、小沢氏が参院選の審判を意識し、「『財源がないから増税だ』という話になってしまうと、国民にウソをついたこと