東北地方の三陸海岸が大震災と津波によって壊滅的打撃をうけてから3カ月。宮城県気仙沼市は、6月中旬のカツオ漁の水揚げを手始めに、全国屈指の水産都市の復活めざして手探りで歩みはじめています。漁業関係者からは、「暮らしや働く場が確保されてこそ復興だ」との声が聞かれました。 (阿部活士) 気仙沼漁港は、国の水産振興上とくに重要と指定されており、カツオ、サンマの遠洋・沖合漁業の拠点港です。総延長4キロ以上ある岸壁や桟橋のなかでも、津波被害が少なかったのが、気仙沼漁業協同組合の事務所と魚市場でした。 漁協職員が連日、6月中旬の市場再開を目標に、逆算して急ピッチの作業を続けています。記者が訪ねた7日も、水揚げした魚を入れる、1トンタンク(通称・スカイタンク)と60キロの魚かごをていねいに洗っていました。 2000個あったタンクが津波で流失。600個を回収しましたが、損傷がなく使えるタンクは200個だけ。