今年4月、大阪市の街角から「赤バス」の姿が消えました。地域の隅々を走り、市民が日常生活の頼りにしていた低床式のコミュニティーバスです。「市民は非常にぜいたくな住民サービスを受けている」と言う橋下徹市長の意向でした。代替の交通サービスを実施する区もありますが、十分とはいえません。 「2段の段差のために、1カ月で乗るのを諦めました」。港区の女性(75)は同区の代替バスについて無念そうに語ります。膝に人工骨が入っていて、歩くには手押し車が欠かせません。 港区が4月から運行する代替バス「青バス」には、乗降口に2段の階段があります。 バス通院できぬ 女性は乗り降りの際、手押し車を自力で持ち上げようとして腰を2度、圧迫骨折しました。「運転手さんに手伝ってもらうのが心苦しかった。介助のためにバスの時間が遅れるのを気にして、乗りたくても乗れない人が他にもいます」と話します。総合病院へのバス通院もできなくな