理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーらが1月に発表し、「新たな万能細胞の発見」として注目された「STAP細胞論文」は、著者自らが論文を撤回する事態となりました。発表直後から数多くの疑惑が指摘され、理研の調査委員会が、論文の根幹となる画像に「ねつ造」「改ざん」などの不正行為があると認定している中での論文の撤回です。 研究倫理の確立 研究不正は科学に対する社会の信頼を裏切る行為であり、小保方氏らの責任は重大です。こうした事態を防止するために、研究者や研究機関には、研究倫理確立の自律的な努力を行うことが、社会に対する責任として求められます。 日本学術会議の「科学者の行動規範」(2006年制定、13年改訂)は、研究不正を防止するために、「正直、誠実に判断、行動」すること、研究結果の「正当性を科学的に示す」努力、「不正行為抑止の教育啓発」などを科学者に求めています。 こうした観点での研究者自身に
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