「百合子の原稿にあえてうれしかった。(検閲の)赤鉛筆の指示をみると、何でもなさそうなところを削除している。それだけ筆の力をおそれていたんですね」。日本共産党展に一番乗りしたのは長野県上田市から来た夫妻です。 今回の日本共産党展は「特別展示」として戦前の検閲で多くの部分を削除された宮本百合子の複製原稿を初公開。戦前の「赤旗(せっき)」やビラ、パンフレットなどの現物も展示します。パネル展示では「写真と年表で見る日本共産党のあゆみ」と題して、党創立以来の92年の歴史を振り返ります。 特別展示を熱心に見ていた女性(29)は、戦前のたたかいに胸が詰まったといいます。「田中サガヨが家族にあてた『ちり紙の手紙』で“自分がまちがっていない”としていたのが印象的でした。同じ方向を目指すこうした人たちがいて、私たちがいるんだと思った」と決意を新たにしました。