8月末にかけ本格化する来年度予算の概算要求づくりで焦点の一つが軍事費です。 日本の軍事費は年間5兆円規模を続けています。財政危機で国民が苦しんでいるのに巨額の軍事費を支出し続けるのは道理にあいません。財政悪化に苦しむ欧州では軍事費の大幅削減にふみだそうとしています。日本も本格的な削減に向け知恵をだすときです。 日本だけが「聖域」扱い スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は6月公表の2010年版年鑑のなかで、失業者や財政赤字が拡大している一方で軍事費が伸びているのは一種の「パラドックス(逆説)」であり、人々の怒りを招く可能性があると指摘しました。 欧州ではすでに、英国が2014年までに25%、フランスは今年度15%、イタリアは10%などの削減計画を示しています。ドイツは今後5年間で日本円にして1兆円以上の削減を検討しています。世界の軍事費の43%を占める米国でも軍事費削減