【カイロ=伴安弘】パレスチナ自治政府の国民経済省とエルサレム調査研究所が9月29日に発表した報告書によると、イスラエルの占領によるパレスチナ経済の損失は昨年、約70億ドル(約5400億円)に達したことが明らかになりました。 この額はパレスチナの名目国内総生産(GDP)の85%に相当します。報告書は「イスラエルの占領がなければパレスチナ経済は今日のほぼ2倍の規模」で、国際支援頼みの経済を終わらせることができただろうと述べています。 報告書の資料によると、イスラエルはヨルダン川や死海の利用、ヨルダン川西岸の地下帯水層の利用を禁じています。これによってパレスチナの農業収入で19億ドル、地下鉱物資源で12億ドル、死海の観光で1億4300万ドルの損害を被っています。一方、イスラエルは西岸の鉱物や採石の管理を通じ年間約9億ドル、死海での生産物とその流通によって1億5000万ドルを得ています。 また、イ