敗戦から69年が過ぎ、戦争体験者の高齢化がすすみ、悲惨な体験を語ることができる人が少なくなっています。一方で、再び「戦争する国」に向けた動きが強まるなか、重い口を開き始めた人たちもおり、痛苦の体験を語る人たちの証言を文書や映像などで記録・保存することが急がれます。 戦争の実態を“物的に証言”する遺跡や遺品、資料を展示・公開する資料館などの役割も注目されます。惨禍の実相を伝える戦争遺跡などを保存・活用し、「平和を発信する遺産」として次世代に引き継ぐことが必要となっています。 平和の発信に貢献 戦争遺跡は、主に1894年開戦の日清戦争前後から1945年のアジア・太平洋戦争終結頃まで、旧日本軍の司令部跡や壕(ごう)などの軍事施設や軍需工場の跡、戦争で被害を受けた建物などを指し、日本国内に約3万カ所あるといわれています。世界遺産にも登録された広島の原爆ドームが有名です。 「戦争遺跡保存全国ネットワ