タグ

ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (23)

  • アベノミクス・惨敗のマイナス成長へ - 経済を良くするって、どうすれば

    9/30に公表された8月の経済指標の結果は、経済運営の担当者にとって、血の気が引くような内容だったろう。同じ日、安倍首相は、「経済の好循環が生まれ始めている」と国会で答弁していたが、起ころうとしているのは、デフレへのスパイラルだ。一気の消費増税は、成長をなぎ倒し、惨敗にアベノミクスを引きずり込んだ。もはや、日経済は、マイナス成長への転落が避けがたい情勢となった。 ……… まず、8月の家計調査から見ていこう。二人以上世帯の季節調整済の実質指数は、前月比-0.3の93.4となり、反動減からの回復どころか、2か月連続しての低下である。2013年度平均の100.4からは7ポイントもの差がつき、昨年水準をいつになったら取り戻せるのか、見当もつかないほどだ。 その結果、家計調査の7,8月の平均は、増税と反動減で落ち込んだ4-6月期を更に-0.4下回るという、惨憺たる有り様である。財政当局は、低迷を「

    アベノミクス・惨敗のマイナス成長へ - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2014/10/07
    「安倍首相は、「経済の好循環が生まれ始めている」と国会で答弁していたが、起ころうとしているのは、デフレへのスパイラル/惨敗は、無知ではなく、教条に因るものなのだ」
  • 世代間負担論の到達点 - 経済を良くするって、どうすれば

    (前半・昨日の掲載分) 今回の旅の友は、加藤久和先生の「世代間格差」(ちくま新書)であった。さすがに加藤先生ともなると、先日に取り上げた若い小黒一正さんと違い、不用意な断定はしないし、幅広く論点をさらっている。経験と学績のなせるところだろう。まあ、加藤先生くらいでないと、筆者の議論の相手は務まらんのだよ。 11/28のコラムでは、小黒さんの「日破綻を防ぐ2つのプラン」 を取り上げ、米国の世代会計論を日に「直輸入」することの危険性を指摘し、小黒さんの立論は、団塊ジュニア世代にとって、ほとんど「自爆」に等しい結果になることを明らかにした。そこで、今回は、そうした過ちを若手の研究者がしないよう、世代間負担論の到達点がどんなものかを簡潔に紹介することにしたい。 ……… 世代間負担論は、各世代において、親世代の給付を子世代が負担するという「賦課方式」の評価をするものとも言えるだろう。その際に重要

    世代間負担論の到達点 - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2012/02/09
    年金賦課方式のはなし>長寿化では「得」する世代しか出現せず、少子化では(制度創設の第1世代を除けば)「損」する世代しか出現しない
  • 消費増税の焦りが招くもの - 経済を良くするって、どうすれば

    今日の日経の一面トップは、「消費税15年10%提示へ」だ。いよいよ動き出したか。なんでこんな無理をしなければいけないのかね。昨日、書いたような緩い引き上げで十分だろう。高めで打ち出しておいて、下げて収めるということかもしれないが、それで生じる政治的な軋轢は大変なものになる。 そもそも、なぜ、年内なのか。むろん、年金負担を交付国債で賄うことにし、消費増税を2012年度予算に関連づけたので、年内に決めておくのは常識的ではあるが、反対派の議員は、年内に離党して新党を作れば、政党助成金を受けられる基準日の1月1日に間に合うことになる。離党を抑制するため、新年に決める日程管理もあり得たはずだ。 その辺は、政治だけには長けている財政当局が知らないはずがない。そうすると、あえて、そういう日程を選んだのかもしれない。つまり、衆議院の過半数を割るほど離党者が出ることがない以上、「純化」しておく方が、後々の与

    消費増税の焦りが招くもの - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/12/30
    「消費増税は経済問題である。今日の日経では、消費税を16%まで上げなければならないとする。それは、おそらく正しいけれども、15年以上の時間が必要だ」
  • 2012年度予算を評価する その2 - 経済を良くするって、どうすれば

    今日の日経の見出しは、「国債依存最悪の49%」というものだった。税収が増えているのに、何のことかと思ったら、2012年度は、「埋蔵金」が少なかったために、相対的に、国債依存度が増しただけのようだ。何とミスリーディングな。まあ、復興の特別会計を含めれば、当に最悪かもしれないが、解説を吹き込んだであろう財政当局が、震災をダシにしなかったことは、多としておこう。 ……… この「埋蔵金」は、一般的には「税外収入」と称されるが、今年度は7.2兆円だったものが、2012年度は3.8兆円になった。3.3兆円の減である。基礎年金の1/2国庫負担分2.6兆円の財源が交付国債という形で分離されて、計上されなかったので、概ね、その分が減ったということである。 交付国債にしたのは、埋蔵金が底をついたというより、消費税を上げないと担保されないと主張して、増税のテコにするためだろう。埋蔵金については、特別会計の剰余

    2012年度予算を評価する その2 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 2012年度予算を評価する その1 - 経済を良くするって、どうすれば

    今日は天皇誕生日の祝日だから、予算編成も一段落。あとは24日に政府予算案の閣議決定を済ますだけだ。今年は、これに続いて、消費税準備法案の素案を決定する運びとなる。日の場合、日経の見出しの「歳出の削減甘く」に見られるように、バラマキや負担増の批判だけのように思う。「枠」の内側に気を取られ、「枠」そのものを考えようとしない。戦略的な思考が欠けてはいないだろうか。 まず、税収を点検する。2012年度の42.3兆円は、今年度当初の40.9兆円より、1.4兆円増えている。実は、四次補正で1.1兆円の上方修正をしているので、来年度は、今年度の実績見込みより、0.3兆円しか増えないとする設定だ。補正の修正は堅めにするので、おそらく、決算時には、今年度の税収は42.3兆円くらいになるのではないか。つまり、実質成長率を2.2%と想定しているのに、来年度の税収増を、事実上、ゼロにしているのである。 2010

    2012年度予算を評価する その1 - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/12/23
    「2012年度予算は、着実な財政再建の道を歩んでいると評価できる」
  • 将来を構想し過去に学ぶ - 経済を良くするって、どうすれば

    昨日の「死に至る病」は、いかがだったかな。簡単なモデルではあるが、経済や財政のスタビライザーとして、利子課税と法人税が意外なほど重要な役割を持つことが理解できると思う。これに着目すれば、次世代の経済運営の技法がどのようなものになるかを予想することも可能だろう。 スタビライザーが有効なのは、国債消化が国内である場合に限られる。課税である以上、外国人に徴税権力は及ばないからだ。その意味で、欧州危機の対応策として、そのまま使うことはできない。ただし、国際協調ができれば別である。例えば、ドイツやフランスの金融資産に課税して、ギリシャの救済資金にするというスキームだ。 ギリシャの危機は、バブル的な好況のときに、独仏の銀行が貸し込んだ側面がある。それで儲けたわけだし、貸した金で輸入もしてもらった恩恵もあった。ギリシャ危機の処理は、独仏の銀行を守り、預金を保護する意味もある。ならば、金融資産の利子を財源

    将来を構想し過去に学ぶ - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/12/23
    「財政破綻の自己暗示にかかり、経済界との取り引きで法人減税を出す以上、一気の3%引き上げしかないと焦るから、揉めにもめるのである」
  • 財政運営の死に至る病と希望 - 経済を良くするって、どうすれば

    欧州の危機を見て、いかに、そうした事態を避けるかを考えることは、日にとって有益である。ここで「早急に消費税を上げるしかない」と合点してしまうのは、あまりに幼稚だ。実際、緊縮財政で対応したイタリアの苦闘ぶりと、その効果の薄さを見れば、別の戦略を考えなければならない。そこで見えてくるのは、日の財政当局が「死に至る病」に取り憑かれている実態である。 国債が売り込まれて金利が上昇し、利払いのために、大幅な歳出削減や増税に追い込まれるというのは、よくある財政破綻のシナリオだ。その後は、日銀の公債引受けによって、ハイパーインフレーションが勃発するというのがお定まりのストーリーである。資金調達に関する知識を持つ者なら、予想し得る将来において、日がそうした事態に見舞われるとは考えないのだが、市井の人々は非常に怖がっている。 ……… そうならない理由はいくつもあるが、その一つに利子課税がある。金利が上

    財政運営の死に至る病と希望 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 読売の傑作社説の誤謬 - 経済を良くするって、どうすれば

    他紙で恐縮だが、昨日の読売の社説は「傑作」だったね。日のリーダーが、なぜダメなのかを端的に示していた。これから、税と社会保障の一体改革に伴う消費税増税の決定や来年度の予算編成に際して、日経も社説を書くことになると思うので、反面教師にしてもらおうと思う。 読売は「消費税引き上げ・財政再建は先送りできない」を掲げて、それは待ったなしだと言う。おそらく、多くの人にとって、「そうだろうね」、「良く聞く話だ」くらいのものだろう。この「待ったなし」は、どういう意味なのだろう。実は、この財政赤字に対する「焦り」が問題なのである。 もし、当に「待ったなし」の状況であったなら、今年の日は、震災で国債の増発を余儀なくされたのだから、国債の長期金利は、敏感に反応し、高まっていただろう。ところが、実際には、一時1%を割るというような低金利が続いている。政府は四次補正をするようだが、その財源は、低金利で余るこ

    読売の傑作社説の誤謬 - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/12/16
    「要するに、日本経済は「待ったアリ」なのだ。むろん、財政再建が不要と言っているのではない」
  • 経済合理性で展開を読む - 経済を良くするって、どうすれば

    コラムで書いていたことが、また現実になったらしい。読売によれば、「東電、火力発電所を売却へ、自前で発送電を転換」だそうな。コラム読者の先読みのお役に立てたことはうれしいが、日経朝刊には一行もなし。特オチか。これだけサポートしてるのに、我らが日経は何をしておるのかね。 これは、東電や経産省へのい込みが足らんといった話ではないよ。現場の記者でなく、論説や編集の責任だろう。合理的に考えれば、こうなるのは十分予想できたことで、読み筋を持ち、世論や現場をリードするのが幹部の役割だ。発送電分離の抽象論しか出てこない、日の「民」における政策企画能力のなさには、情けなく感じていた。 コラムで最初に火力売却を書いたのは、6/18のことである。それ以来、何度か書いてきたが、日経に限らず、各紙やマスコミにも動きがないので、電力会社のプレッシャーでもあるのかとか、筆者が制度などで思い違いでもしているのかと

    経済合理性で展開を読む - 経済を良くするって、どうすれば
  • 平凡に我慢できぬが人の常 - 経済を良くするって、どうすれば

    いつも書いていることだが、日に欠けているのは、平凡な経済運営である。成長を予想し、それを妨げない範囲で着実に財政再建を進めなければならない。しかし、現実には、財政赤字が大きいというだけで、いくらでも増税や緊縮ができると思い込み、無理な財政運営を行って、成長を落としている。それが国民生活を苦しくし、財政再建さえ遅らせているとは気付かないようである。 2010年度に、日の財政当局は14兆円の緊縮財政を試みた。その結果、年度後半に成長は失速し、デフレは止まず、円高を招いてしまい、慌てて4.4兆円の補正予算を組む顛末だった。2%弱の成長が当たり前の日経済で、それを超える規模の所得の吸い上げをしたら、変調を来たすことは、常識でも分かることだろう。 続く2011年度、日の財政当局は、前年度補正後と比較して、4.9兆円の歳出の緊縮を試みた。3月11日に震災があったが、一次と二次の補正では、実質4

    平凡に我慢できぬが人の常 - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/12/16
    「平凡な政策は、ますます人々の耳には入らなくなった。危機のときには、一発逆転の派手な政策が期待され、痛みを伴うようなものが魅力を持ちさえするのである」
  • 世代間の不公平を煽るなかれ - 経済を良くするって、どうすれば

    「日破綻を防ぐ2つのプラン」という新書を読ませてもらったが、執筆した小黒一正さんは、端的に言って、コアになっている「世代間負担」について、十分に理解していないように思える。それでいて、「世代間公平委員会」を設けて、負担と給付を正せというのであるから、危ういものを感じる。 小黒さんは、世代会計を基に、年金制度などで、高齢者世代は「得」をし、若齢者世代は「損」をしており、ゆえに、若齢者世代は、高齢者世代から搾取されているとするのだが、これは、世代間負担論の初学者に見られる典型的な誤りである。ここを理解できているかどうかが、社会保障論のプロか否かを分けるといっても過言ではない。 公的年金制度は、親世代の給付を子世代が負担するという「賦課方式」によって運営されている。この賦課方式には、「フリーランチ」が発生するという特殊な性質があり、それゆえ賦課方式が採用されているとも言える。経済学教育では、

    世代間の不公平を煽るなかれ - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/12/02
    保留> 「損」の本質は、高齢者世代の「得」ではなく、少子化にあることを見失ってはならない。少子化の緩和は、「損」を減らすのに、負担増より遥かに効果的である
  • 日本経済のねじれた共犯関係 - 経済を良くするって、どうすれば

    人が無意識のうちに持つようになったビジョンは、「法人減税をして、消費増税をすれぱ、日は良くなる」というものだろう。「法人減税をすると、設備投資を促進して成長率が高まる。消費増税をすれば、財政再建がなされる」という単純な思考である。現実には、法人減税をすると、財政に大穴が空き、消費増税は内需の停滞を招いて設備投資を挫折させてしまうわけだが。 日人がこうした単純思考に凝り固まるのも無理はない。経済学の教科書が教えるところでもあるからだ。確かに、法人減税をして、投資収益を高めれば、設備投資は高まることになっている。また、日の大きな財政赤字を埋めるには、大きな税収の期待できる消費税を上げるしかないというのも、極めて分かりやすい話である。 しかし、現実はというと、財政の危機的な状況は、法人税の激減によるものである。リーマン・ショック前の2007年度には14.7兆円もあったものが、2009年

    日本経済のねじれた共犯関係 - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/12/02
    「現在の法人減税への執拗なまでの拘りは、設備投資のやる気のなさ、そして、日本経済の未来を信じてないことを示すように感じられる」
  • 消費税は数字で議論を - 経済を良くするって、どうすれば

    人は死にたいんだなと、つくづく思う。2014年春に消費税3%引き上げ、2015年に更に2%上げるという計画を、もし、当にやったら、経済破綻を起こしてしまう。むろん、これは言い値に過ぎず、政治過程で下げるつもりなのだろうし、ことによると、2014年は名目で5%以上の高成長かもしれないがね。 今日の経済教室は、日経センターの短期経済予測で、2013年度の成長率は1.0%の予測である。GDPが5.5兆円しか増えない翌年に、消費税だけで7.5兆円も所得を抜こうというわけだ。その他に、社会保険料の負担増、成長に伴う自然増収、復興費の執行終了があることを踏まえれば、10兆円を超えるデフレ財政になるのは確実である。これが日経済の自殺計画でなくて、何だというのだ。 誤解のないように言っておくが、筆者は、消費税増税は必要だと考えている。しかし、1.0~2.0%の成長率の下では、1%の引き上げがやっと

    消費税は数字で議論を - 経済を良くするって、どうすれば
  • 消費増税への国民の理解 - 経済を良くするって、どうすれば

    今日の日経の「核心」が、芹沢洋一論説委員長の筆とあらば、コメントせねばなるまいな。芹沢さんは政治部出身だから、「逃げずひるまずブレず」に消費税というのは、良く分かる。だから、日はダメなんだな。増税というのは、政治ではなく経済の問題なのだがね。 芹沢さんは、今の消費税論議は、社会保障と関連づけ、有権者の理解を得ようとしているのがミソとして、かつて消費税で総選挙に敗れた大平首相の弁を引く。「福祉でなく、大蔵省のいうように赤字の穴埋めに使おうとしたから、国民はダメだと言ったんだよ」。そして、当時の官房副長官だった加藤紘一代議士に「増税はひるんではいけない」と語らせる。 大平首相が、党内の反発のために消費増税を途中で断念せずに総選挙に臨んでいたら、負けなかったかも知れないというのは、戦後政治史で、よく語られる「伝説」である。増税そのものより、ブレるのが良くないというのが「教訓」だ。果たして、国民

    消費増税への国民の理解 - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/11/23
    「増税というのは、政治ではなく経済の問題/「どうせ日本は成長しないのだから、景気がどうだろうと増税する」という敗北主義」
  • 増税の国際公約と税収 - 経済を良くするって、どうすれば

    ドラギECBは、やるね。コラムはトリシェECBを強く批判していたが、ようやく、ECBが利下げに転じた。今更ながら、4月と7月の利上げは何だったのかと思う。イタリアを始めとするソブリンリスクの高まりは、煎じ詰めると、ECBがどれだけ支えるのかへの不安だ。遅々としつつも、そちらへ向かっているということだろう。 他方、FOMCは、成長率の見通しを大幅に下方修正したものの、現状維持を決定した。こちらは予想通りというところだろう。その背景には、米国の消費の持ち直しがあるが、筆者は、ドル安・資源高が一服し、消費を抑える作用が薄れたためと見ている。それは、成長の牽引役になっている輸出が、この先、陰ってくることも意味している。 日は、FOMCの前に為替介入に踏み切ったわけだから、この結果には、胸をなでおろしていることだろう。この先の金融緩和を示唆されれば、円高に戻りかねないからである。日の財政当局が

    増税の国際公約と税収 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 弱い日本の強い円となる理由 - 経済を良くするって、どうすれば

    先日の「旅の友」は、モルガンの佐々木融さんの「弱い日の強い円」だった。タイトルからすると、「世界一の財政赤字国である日の通貨が高くなるのはおかしい」といった、直感だけの俗論を想像するかもしれないが、内容は逆で、そうした日にはびこる俗論を、ファクツ&フィギュアスで打ち砕くものである。 佐々木さんと同様に、筆者も、円高の原因については、長期的には、日米の物価上昇率の違い、中期的には、日米の金利差にあると考えている。これらに様々な短期的要因が重なって、円は揺れ動くというイメージである。 2010年秋から現在にかけての円高局面は、日が緊縮財政によってデフレを続けたのに対し、米国は資源高などで物価上昇率が高まったこと、また、日がゼロ金利状態で金利を下げられないのに対し、米国ではQE2による金融緩和が進められたこと、この二つに整理できる。まあ、両者は絡み合ってもいるが。 自国通貨高に困った場

    弱い日本の強い円となる理由 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 情報操作で日本が行き着く先 - 経済を良くするって、どうすれば

    内閣府の「経済社会構造に関する有識者会議」というところから、「経済成長と財政健全化に関する研究報告書」という、何とも覚えにくい名称の報告書が出された。内容は、要するに、「成長しても、財政は改善されないので、消費税増税しかない」という趣旨のものだ。世論をそこへ持っていこうとする、情報操作のための政治的文書である。 報告書をまとめた座長の岩田一政先生は、学識も豊かだし、人当たりも柔らかで、そんなことをする「悪人」とは思えないのだが、どうやって、財政当局は、こういう文書を作ったのか。情報操作の、なかなかのテクニックが使われているので、それを読み取るだけで、とても勉強になると思う。インテリジェンスに興味がある人にとってはね。 その秘密は、報告書ポイントの「はじめに」にある。成長すれば、どの程度の税収増が見込めるかは、経済的にも、政治的にも非常に関心を集める問題だ。その推計方法には様々な手法があるの

    情報操作で日本が行き着く先 - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/10/24
    「「成長しても、財政は改善されないので、消費税増税しかない」という趣旨の政治的文書/財政再建そっちのけで、消費増税が自己目的化」
  • 反ウォール街デモに思う - 経済を良くするって、どうすれば

    各国でデモに参加している人たちは、自分たちが何に反対しているのか、分かっていないように思う。直接的には、仕事をくれということであり、仕事をもたらさない何者かに対して抗議の声を上げている。でも、それは何者なのだろう。 どうすれば経済学では、設備投資は、リスクに強く左右されるため、需要に従うと考えている。これは、バブルの原因にもなっている。投資による需要が更なる投資を呼んで、バブルが発生するのだ。こうした行動は、長期的には不合理だが、短期的には儲かる。人生は短いので、勝ち逃げの誘惑から逃れることはできない。 米国の苦境は、バブルの反動であり、それに至るまで、金融機関は大いに儲けることができた。当は、バブルが弾けた時点で、その不合理な行動の清算をさせられるはずだったのだが、公的資金の注入、極端な金融緩和などで助けられてしまう。むろん、バブルの時期には、一般の労働者も潤いはしたが、バブル後の失業

    反ウォール街デモに思う - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/10/20
    「労働力しか持たない若者/本来、インフレは若者が望むべき政策」
  • 経済を良くするって、どうすれば

    経済政策と社会保障を考えるコラム *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

    経済を良くするって、どうすれば
  • 国債非常事態のシナリオ - 経済を良くするって、どうすれば

    タイトルに引かれて、「国債・非常事態宣言-3年以内の暴落へのカウントダウン」(松田千恵子著)を読んだ。著者自身が初学者向けと断っていることもあり、読みやすいし、公式的な財政問題の概要をつかむには良いだと思うが、それだけに物足りなさはある。 私のような専門家も含め、一般の人も、一番知りたいのは、これから、「どうなる」と「どうする」だろう。「3年以内」の根拠は、財政当局がよく使う、国の債務が家計貯蓄を上回るという「例のもの」で目新しさはない。これは、切迫感を煽るのに手頃というだけで、いまや企業部門が大きな貯蓄主体になっていることを踏まえれば、家計貯蓄を超えたからといって、どうということはない。さて、それでは、この先、「どうなる」のだろう。 一番ハッピーで、結構ありそうなシナリオは、「何も起こらない」である。国債の保有者は、突き詰めれば、国内の高齢者である。もし、彼らが、国債を抱えたまま、寿命

    国債非常事態のシナリオ - 経済を良くするって、どうすれば
    nebokegao
    nebokegao 2011/09/25
    "何よりありがちなシナリオは、財政赤字への罪悪感と焦燥感から、無理な増税と緊縮を行って、経済を縮小させてしまうこと/日本経済の最大の問題は、やはりガバナンス"