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コンピュータは知性のための自転車だ(a bicycle for our minds)と言ったのは、故スティーブ・ジョブス(Steve Jobs)だ。Appleの共同創立者にして、MacintoshやiPhoneなどの革新的な製品の生みの親として有名なその人だ。自動車や散歩のエピソードが有名だが、自転車好きと言う話は聞かない。自転車に乗る写真もない。だが、直感と感性ゆえだろうか、見事にコンピュータと自転車を結びつけている。 要約すると、スティーブ・ジョブスは科学雑誌の記事を読んでいて閃いたらしい。人間は移動のエネルギー効率が悪く、生物ランキングでは下から1/3あたりに位置する。ところが、人が自転車に乗ると圧倒的に効率が良くなり、他を大きく引き離してトップに立つ。これこそがコンピュータのあるべき姿であり、知性にとっての自転車とでも呼ぶべき並外れた道具なのだと主張する。
長らく噂されていたAppleのAirTagが発売された。直径31.9mm、厚さ8.0mmで缶バッジのような小さなデバイスだ。これを財布に入れたり、カバンに取り付けておけば、置き忘れた時に簡単に見つけ出せるようになっている。iPhoneを使ってAirTagから音を鳴らす、その位置を地図で表示する、近くであれば方向と距離を示す、といった機能があるからだ。このAirTagは自転車でも使えるだろうか? もっとも自転車は大きいので自宅やオフィスなどで見失うことはない。しかし、駅や商業地などの巨大な駐輪場で停めた場所を忘れることはありそうだ。屋外の空が開けた場所なら、かなり正確に「探す」アプリの地図に位置が示される。近くまでくれば自転車が目に入るだろうし、音を鳴らしたり、方向や距離の助けを借りても良い。ただし、GPSの電波が届かない地下では正確な位置を得ることができない。 それでは、自転車の盗難防止は
雑誌「a+u」2021年1月号の特集が「バイシクル・アーバニズムー新しいモビリティと変化する都市」と知って取り寄せた。冒頭の数ページを除いて、その後のほぼすべての約190ページを自転車と都市に費やす充実度。建築と都市の情報誌らしく大判のカラー誌面に精細な図版と写真をちりばめ、細かな文字で詳細な情報を載せている。日本の雑誌ながら和英バイリンガル完全対応と海外志向も強い。 さて、ゲスト編集者でもある千葉学のイントロダクション「バイシクル・アーバニズムー生態学的都市計画に向けて」に本特集の意図が明示されている。すなわち、高速・大量の移動手段を前提とした20世紀型の都市は、自動運転やマイクロ・モビリティによって大きく変化する。それが新型コロナウイルスによって早急の課題となった今、私たちが既に持っている手段が自転車というわけだ。 自転車を基盤とすることで都市構造は大きく変わる。それを筆者は世界有数の
ハンドルを切る方向と実際曲がる方向が逆になる「逆さまハンドル」の自転車を制作した。改造し易いカーゴ・トライクでは既に実現しているが、一般的な二輪自転車では困難であった。これはヘッド・セット周りに空間的な余裕がなく、素人工作の範疇を超えていたからだ。そこで、何度か工房にお邪魔したこともあるShin・服部製作所の服部晋也さんに相談し、制作を依頼して完成に至った。 逆さまハンドルは、ハンドル・ステムと前輪フォークの回転方向を何らかの方法で逆転することになる。この機構は、2つのギアで実現した例がいくつかある。これは単純で合理的、安定性も高いようだ。ただし、2つのギアはいかにもキメラ感が強いし、歯車に手を挟む恐れもある。何度か調査や意見交換をしつつも、発表期日が迫っていたために、今回は確実に実現できる2ギア方式を採用した。 さて、完成した自転車は期待を遥かに超える出来栄えだった。まず。クラシカルで鈍
2020年3月に発売されたiPad Proには背面にLiDARスキャナが搭載されている。これは目に見えない赤外領域のレーザー光線を照射することで、前方の物体の形状や距離を測定する。端的に言えば三次元スキャナであり、計測や測量はもとより、ARでの自然な描画(隠面消去)も可能になる。ロボットや自動運転の自動車が周囲の環境を把握する技術を、日常生活用品のタブレットに搭載した訳だ。 それではiPad Proを自転車に取り付けて走行してみよう。ハンドルにアダプタを取り付けて、iPad Proを前方やや下向きにセット。この状態で3D Scanner Appというアプリを使用して、前方をスキャンしながら自転車で周回する。最初は舗装道路で緩やかに下り、次いで急な上り坂があり、凸凹のある草地を抜けて出発地点に戻る。走行距離は150mほどで、ゆっくり目に10km/h前後の速度で走っている。 3D Scanne
iOSの機械学習フレームワークCore MLと最近のiPhoneなどに備わるAIプロセッサNeural Engineを用いて映画から自転車を探したところ、驚くような結果を得た。プログラミング・コードを簡潔に記述できるとともに、その処理速度が随分と速い。これが毎日使う小さなiPhoneで行えるのだから、唖然としてしまう。Neural EngineはFace IDだけでなく、汎用的なAI処理に活用できるわけだ。 これまでの自転車探索、正確にはオブジェクト検出はディープ・ラーニングのKeras-Yolo3を用いてきた。これをMacで実行すると恐ろしく時間がかかり、2時間の映画なら2〜3日はマシンを占有してしまう。 神谷典孝が示したようにGPUを活用すれば実用的な速度となり、2〜3時間で処理が完了する。ただし、GPUはタワー型の大型PCを必要とし、随分と高価であり、消費電力が馬鹿にならないほど大き
2019年末に和歌山県内の国道42号線をロード・バイクで走行していたところ、由良トンネルの出口近くで後ろから来た軽トラックに追突され、転倒して負傷した。すぐさま救急車が駆けつけ、近くの病院に搬送されて入院。筆者はこの間の記憶がないものの、自転車の前部に取り付けたGoPro HERO8でタイムラプス撮影した映像が残っている。これは10倍速、つまり0.33秒ごとの撮影であった。 事故に遭うトンネルは2’00”頃から。映像は上下反転しており、追突後は映像全体にボカシを入れている。 トンネル前では一旦立ち止まって前後ライトの点灯を確認し、後続車の通過を待っている。トンネルの幅員は12mで一般車が余裕を持って走行できるが、歩道等はない。自転車は路側帯の白線の内側か線上を走っている。暗所に弱いGoProでも綺麗に映っているので、トンネル内は比較的明るい。そして何の前触れもなく突如として地面が映し出され
10月中ばに岡山県の蒜山高原に出かけた。自然豊かな観光地で、3年前は整備されたサイクリング・ロードを最新のレンタル自転車で快走して高原リゾート気分を満喫した。一方、今回は目的が異なっていた。のどかで美しい風景とは裏腹に、 Read more
ロンドンの「サイクル・レボリューション」展で見かけて、気になっていたのがProviz社の銀色の再帰性反射ジャケット。この展覧会ではアパレル製品は僅かしか取り上げておらず、同じイギリス製ながら、より知名度の高いRaphaやPaul Smithはなかった。それだけに、この製品が目立っていたが、なぜか現地のショップでは見かけなかった。もちろん、日本でも見かけない。 Provizは反射性の高いスポーツウェアの専業メーカーだ。サイクリング・ジャケットだけでも数種類あって、どれを選ぶべきか見当がつかない。そこでメールで問い合わせて、最も反射性能が高いと言うReflect360+を購入してみた。これは確かに反射性が高く、iPhoneでフラッシュ撮影をすると、以下の写真のように周囲が黒く写るほど。横の人も反射性ジャケットを着ているのだが、まるでレベルが違う。 そこで以前に紹介したジャケットを含めて、できる
10年選手のスマートフォンですら難アリだから、登場したばかりのホログラフィック・コンピュータがライドに使えないのは当然。ただ、Google Glassのような従来型とどう違うのか?特にシースルー映像や空間マッピングとライドとの親和性が気になるところ。自転車は究極のモバイル環境であり、ポテト・カウチとはワケが違う。そんな自転車とHoloLensの相性、まずは、ハードウェアに関してレポートする。 HoloLensは大きくかさばる。スキーのゴーグルに分厚いヘアバンドを取り付けた感じ。重量は600g近くだが、バランスが取れているので重いとは感じない。通常の使用なら、疲れる前にバッテリーが無くなる。装着感も良好。しかし、常に振動にさらされるライドでは不安を覚える。何かの拍子にHoloLensが吹き飛んでも不思議はない。ヘルメット用のあご紐を利用するのが良いだろう。 ライドでは左右確認を除けば前方に視
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