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くら寿司が進化させる、回転寿司の“当たり前”。「楽しさ」と「驚き」を顧客に与える、テクノロジーのあり方とは 店に入ると、レーンを次々に流れる寿司が目に飛び込んでくる。席に座り、着く前から狙っていたネタ、あるいは直感的に「食べたい」と思った皿へ手を伸ばす。タッチパネルを触りながら、ゆっくりサイドメニューを選んでいく——。 私たちが今、当たり前のように楽しんでいる「回転寿司」。市場の拡大とともに、各社による店舗体験のアップデートが進むなか、2019年7月、新たな取り組みを発表したのがくら寿司だ。『スマホdeくら』と冠したそのサービスにより、同社はアプリを通した予約や持ち帰りに加え、「着席したままパネルを介さず注文できる仕組み」を、他社に先駆けて実現させた。 XDでは、くら寿司 広報宣伝部の岡本浩之氏、業務本部 先進技術開発部の橋本大介氏にインタビュー。同社の歩みと回転寿司の歴史をたどり、スマー
永松氏「自分自身で業務用洗濯機を開発しているのに、日常ではコインランドリーを使っていませんでした。自分が使いたいと思える店舗がなかったからです。まず自分が行きたくなるコインランドリーが必要だと考えました」 一方で久保田氏は、一般的なコインランドリーに不便さを感じていたものの、繰り返し利用していたという。 久保田氏「引越しの際、布団洗いを利用したことがきっかけで、コインランドリーのリピーターになりました。しかし、店内の居心地は良いとは言えず、洗濯機を回して一度帰るのも面倒。不満はあるものの、それでも使ってしまうことに大きな可能性を感じました」 面倒でも使ってしまう理由は“時間”と“仕上がり”にあったそうだ。布団を洗濯する場合、クリーニングに出すと受け取りまでに約1週間、価格は7〜8,000円ほど。しかし、コインランドリーで洗えば1時間程度で仕上がり、1,000円程度の出費。一度に洗える量も多
日本の人気テーマパーク、3年連続1位。世界最大の旅行サイト「TripAdvisor」が先日発表した『日本のテーマパークランキング2019』において、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)」が手にした称号だ。 USJと聞いて思い浮かぶのは、大型アトラクションやショーなど引きの強いコンテンツの数々だろう。実際、同ランキングに寄せられた口コミの中には、それらを評価する声が目立つ。 だが、顧客体験の観点でUSJを捉えたとき、注目すべき点は他にもある。データと現場に立つ“職人”の知見をかけ合わせ、「届けたい体験」から逆算するデジタル戦略だ。ゲストの行動を把握し、そのデータを活用することで、一人ひとりに合ったエンターテイメントを提案しようとしている。 そもそもがオフラインである“リアルな場”では、「行動を正確にデータ化し、オンラインに紐づける」ことは簡単ではない。USJはどのようにその見え
その日、名古屋は暑かった。 最高気温は36.4度を記録。容赦なく照りつける太陽と騒がしい蝉の声。だが、インタビュイーの言葉はそれ以上の「アツさ」を生み出した。熱の高まる会議室の壁に飾られた、真っ赤なフラッグ。そこに記された「NAGOYA GRAMPUS」の文字は、たしかな存在感を放っていた。 愛知県を拠点とするJリーグクラブ「名古屋グランパス」が短期間で急成長を遂げている。 2016年にJ2降格。しかし、年間の来場者数は2017年に2万人以上も増えた。「J2に落ちれば来場者数が1〜3割は減る」と言われるなか、J2降格後に年間来場者数が増えたのはJリーグ史上、初めての事例だ。さらに2017年から2018年にかけて、1試合の平均来場者数は約1万人の増加、伸び率は前年比160%をマークした。 一時期は「ファンからの愛着がJ1クラブ一低い」と酷評されたグランパスが、どうやってこの「大逆転」を実現し
本記事は、中国のテクノロジーを中心とする社会動向に精通した家田昇悟氏の寄稿記事。2010年代初頭から中国におけるIT化の動向を追い続け、現在は中国に暮らす同氏が体験した、中国の最新顧客体験トレンドを紹介していただく。 【中国CX最前線】中国はなぜ「待ち時間」をなくすことができたのか モバイルペイメントの浸透による顧客体験の変化 モバイルペイメントが普及した中国で、今「ミニプログラム」が大きな注目を集めている。 中国語で「小(ミニ)程序(プログラム)」と表記するミニプログラム。「WeChat」をはじめとするさまざまなプラットフォーム内で、アプリとほぼ同様の機能を果たす「アプリ内で動くミニアプリ」を指す。中国ではその利便性が受け入れられ、ここ2年ほどで急速に普及した。 今回は、このミニプログラムによって変化した顧客体験について紹介したい。 ユーザー6億人超。2年で100万種類を越えたミニプログ
「最近、家のスマートホーム化を進めてるんだよね〜」 とある友人が食事しながら話していた。どうやら次は、“アプリで玄関の鍵を解錠できるスマートキー”を導入するらしい。 自分の家だけでは飽き足らず、その友人は「今度設定してあげるから、スマートスピーカーと家電を連携させようよ!」と、私の家のスマートホーム化を提案してくれた。スマートスピーカーに話しかけるだけで、電気をつけたり、カーテンを開けたりできるそうだ。 ほかにも、外出先からエアコンを操作できるようにもすることも可能らしい。 「じゃあお会計しましょうか」 そう言って、私とスマートホームに凝っている友人はLINE Payで割り勘をし、UberとDiDiでタクシーを呼んでそれぞれの帰路についた。 その日は、私はベッドの上で自分の家族のことを思い出した。 この前久しぶりに実家に帰った時、お風呂上がりの私の母がスタンプの買い方を教えてくれと言ってき
「旬八(しゅんぱち)」と書かれたシンプルな暖簾をくぐると、色とりどりの青果と手書きのポップが目に入る。「この大根と出会って確信しました。人も大根も見た目じゃない!!って」「ブロッコリーの葉っぱ人気のたべ方」など、およそ従来の八百屋のイメージには似つかわしくないうたい文句が並ぶ店内は、活気に溢れている。2013年の第1号店以降、都内で15店舗にまでその規模を拡大させている「旬八青果店」だ。 経済産業省の「商業統計調査」によれば、1976年に全国に約66,000店存在した「野菜・果実小売業」の事業者数は、大型スーパーやネット通販などの影響によって、2014年、全盛期の1/4以下となる15,000店近くにまで減少した。そんな斜陽産業である「八百屋さん」という業態において、成長を続ける同グループは強い存在感を放っている。 八百屋の平均粗利率の約2倍にあたる50%を実現する旬八青果店。全国の農家や市
経路検索や列車運行情報、駅情報などを提供する「JR東日本アプリ」。14年のリリース以降、累計数百万DLされていた同アプリは19年4月に全面リニューアルされた。このプロジェクトを担当したのが、東日本旅客鉄道 技術イノベーション推進本部でJR東日本アプリ プロダクトマネージャーを務める松本貴之氏だ。彼は、IDEO Tokyo、Pivotal Labsといった企業の協力の下、デザイン思考に基づいてリニューアルを推進していった。 これまで超多機能だったアプリは、リニューアルで機能が大幅に絞り込まれた。その結果として上がっている賛否両論の声を、松本氏は「慎重に受け止めつつも、悲観視はしていない」という。素案の制作を担当したデザインコンサルティングファームIDEO Tokyo Design Directorの田仲薫氏とともに、今回のリニューアルの裏側について話を伺った。 ドイツで学んだ「デザイン思考」
住む場所を決める。それは人生において大きな決断と考える人は多いのではないだろうか。物件を購入するのはもちろんのこと、賃貸ですらそのように感じてしまうのは、金銭的な問題だけでなく、複数年契約を前提とした物件選び、煩雑な契約手続き、引越しにかかる労力など、発生する様々な負担が心理的な障壁となって立ちはだかっているからだろう。 しかし「家」というのは、暮らしに大きく影響するものだ。これからの生き方を模索するなかで、住む場所によって行動を縛られるのは、機会損失にもなりかねない。もし、もっと気楽に住む場所を選べたら、理想的なライフスタイルへの近道になるかもしれない。 2019年3月に誕生した「OYO LIFE(オヨ ライフ)」は、従来の不動産業界にはなかった「住みたい場所に気軽に住む」「契約期間に縛られずに引っ越す」などの新たな選択肢を提供するサービスだ。敷金、礼金、仲介手数料が無料。家具家電付きの
みなさんにとって、ホテルはどのような存在だろうか。 「ホテルはこれまで、『寝るための場所』または『特別な日に背伸びして出かける高級な場所』の両極端でしか認識されていなかった」——こう考え、「時間を気にせず、仲間とルーズに過ごすホテル」をテーマに、2019年2月「星野リゾート BEB5 軽井沢」は開業した。運営するのは、高級リゾートホテルなどで知られる星野リゾートだ。 接客スタッフは私服、ワインは量り売り、自由に使えるラウンジは24時間営業、3人で泊まれば1人5,000円強。これまでの星野リゾートのイメージとは大きく異なるホテルの在り方をBEBは提供している。 星野リゾートはこれまで「星のや」や「界」に代表される、洗練された宿泊体験を提供してきた。35歳以下をターゲットにした「ルーズ」なホテルBEB軽井沢は、同社にとって新しい挑戦となる。 このBEB、一体どのようなホテルなのか。そもそもなぜ
米国では8割が「あらゆるデバイスでのオンラインショッピングを活用している」。一方、64%以上が「リアル店舗での買い物の方を好む」。いずれも2016年に実施された同じPew Research Centerの調査結果だ。 これは決して矛盾ではない。多くの人がオンラインの便利さを享受しながらも、実店舗での買い物を楽しみたいと考えている証左だ。2018年、『Everlane』や『Casper』といったD2Cブランドがポップアップではない実店舗の展開に踏み切った。Everlaneはその理由を「人々はブランドを直接見て、体験したいと考えているためだ」と明かしている。 さらにAmazonも、書店チェーン『Amazon Books』や、評価の高い商品を取りそろえる実店舗『Amazon 4-star』を米国中心に出店、リアル店舗戦略に注力してきた。2019年、Amazonはこれら2つのチェーンを「顧客に対し
本記事は、中国のテクノロジーを中心とする社会動向に精通した家田昇悟氏の寄稿記事。2010年代初頭から中国におけるIT化の動向を追い続け、現在は中国に暮らす同氏が体験した、中国の最新顧客体験トレンドを紹介していただく。 ここ数年、中国における生活全般のIT化が目覚ましく、注目を集めている。 例えば、2013年頃からモバイルペイメントが急速に普及し、大都市であれば現金を持ち歩かずに、スマホだけで生活ができるようになった。すっかり生活に浸透し、今やスマホでしか決済できない店舗もあるほど。高度に普及したモバイルペイメントは消費者や小売の行動を大きく変え始めている。 筆者は2012年から現在まで4回、合計3年間を中国(上海)で暮らしている。前職は日本でPM(プロダクトマネージャー)としてECとモバイルペイメント事業に従事し、現在は大手リテールやメーカー向けにデジタル領域を支援する上海の現地企業で事業
なぜ今、「体験」が重視されているのだろう。それはきっと、ここ十数年のうちに私たちの生活が「情報」に寄りすぎたからだ。情報のインプットだけでは得られない価値が世界にはあり、「体験」はそれを補填しうる。 にもかかわらず、データという武器を手に入れた私たちは、可視化できないものをないがしろにしてはいなかっただろうか。言葉にならず数字にもできない感動が、体験の中には眠っているというのに。 「コスパ」の意識からは得られないものがある――2019年4月17日に開催された、最先端のCX(顧客体験)に向き合うカンファレンス「CX DIVE」において、そんなことが語られた。 「THE SEAMLESS WORLD」がテーマとなった本イベント。最後を飾るクロージングセッションでは、広告とコンテンツの境界や、コミュニケーションの未来について5名のゲストが意見を交わし合った。 スピーカーはクラシコムの青木耕平氏、
「男性にデニム以外の選択肢を」という想いから立ち上がったアパレルブランド『Bonobos』。価格競争のないメガネ業界への違和感が設立のきっかけになった低価格高品質なアイウェアブランド『Warby Parker』。“徹底した透明性”を掲げ、人件費から材料費、輸送費まであらゆる原価を開示し商品を販売するアパレルブランド『Everlane』。 いずれも北米で生まれ、小売業界で注目を集めるD2C(Direct to Consumer)ブランドだ。2019年4月17日に開催されたカンファレンス『CX DIVE』では、世代や業界、オフラインとオンラインの垣根を超えてCXの最先端を探求。D2Cの顧客体験に関してもセッションが繰り広げられた。 そのうちの一つ『CXが拡張するD2Cの可能性』では、完全栄養食のパンとパスタ『BASE FOOD』を販売するベースフード代表取締役社長の橋本舜氏、Bean to B
自分や家族の好みや健康状態に合ったおいしくて栄養のある家庭料理。作りたいとは思っても、調理の時間、料理のスキルやレパートリー、栄養の知識など、いざとなると必要なものはたくさんある。 動画レシピサイトなどを駆使しても、「自分たちが本当に求める食事を、日々作ること」は簡単ではない。今日も作れなかった。思うように作れなかった──時には、そんな罪悪感を抱いてしまう場合もあるだろう。 こうした現代の“食卓の課題”について、その解決に挑戦する企業がある。「出張料理サービス」を運営するシェアダインだ。本記事では、そのサービスを紹介しつつ、2019年4月よりサブスクリプションを導入した背景に迫っていく。 専門の料理家が家庭でごはんを“作り置き” 同社が運営する『シェアダイン』は「料理家による出張作り置きサービス」。調理の知識や経験、スキルを活かしたい料理家が、その専門性を用いて献立を提案し、家庭に出向いて
『五感を刺激する演出から学ぶ?みなさんこのタイトルの意味わかりますか?』といきなり根本的な問いを投げかけられ、ざわつく会場。しかし、ダイナミックに展開される議論は、驚きあり、笑いありの登壇者のやりとりと、シンプルで力強いメッセージに、大きな拍手が巻き起きた。 最先端のCX(顧客体験)を学び、体験できるカンファレンス「CX DIVE」の「五感を刺激する演出から学ぶ」セッションは、とにかく痛快だった。 このセッションに登壇したのは、草彅洋平氏(東京ピストル代表取締役/編集者)、永島健志氏(81 オーナーシェフ)、紀里谷和明氏、そしてモデレーターを務めた長谷川リョー氏(「SENSORS」編集長)だ。会場に驚きをもたらしたセッションの様子をレポートする。 編集者、シェフ、映画監督が語る「五感」と「体験」 編集者の草彅氏は、紙・ウェブに収まらず、広告、イベント、店舗など、あらゆる媒体を通じてメッセー
まとまった休みが取れるタイミングで日頃できない体験に時間を注ぎ、楽しむ人は多いだろう。 私たちはすでに、“非日常”を味わう手段をいくつも知っている。遠方に出向き、現地での宿泊を伴う「旅行」は、その代表格だ。 しかし、時代は変化した。世界では今、従来の「旅行」とは異なる多様な時間の過ごし方の選択肢が生まれている。 本記事では、近年、海外を中心に広まりつつある「ステイケーション」「ブリージャー」「ワーケーション」という3つの旅行スタイルを紹介。それらがなぜ受け入れられているのか、背景にある変化を紐解いていく。 “あえて遠出しない”──ステイケーション(Staycation) 一つ目のステイケーションは、“Stay”と“Vacation”を組み合わせた言葉だ。遠方に出向くのではなく、自宅と同じ市内など、近くの宿泊施設に滞在して過ごす旅のスタイルを指す。 ステイケーションのメリットは、「手軽に非日
モノからコトへと消費の軸が移っていると言われ、マスマーケティングから1:1で顧客に向き合い、顧客体験(CX)を高める重要性が日本でも浸透しつつある。 2019年4月と10月にはCXに関する知見を共有し、体験できるカンファレンス『CX DIVE』を開催。計2,000名以上の来場者が訪れた。この先、CXはさらに注目の概念となっていくだろう。 顧客の熱狂はマーケティングからは生まれない──領域が溶け合う時代に求められるCX #CXDIVE しかし、CXの重要性はなんとなく理解したものの、まだはっきりとした輪郭が掴めず、どのように取り組んでいくべきかを悩んでいる担当者も多いのではないだろうか。 日本ではCXという概念はまだ馴染みが薄く、日本語での書籍も少ないのが現状だ。本記事ではXD編集部がセレクトした、CX理解の手助けとなる本を紹介する。 Harvard business review 「顧客体
いくら技術が発達しても、お店の中心は「人」なんです。 そう語るのは、カスタムチョップドサラダ専門店「クリスプ・サラダワークス」を展開する株式会社クリスプ代表取締役社長の宮野浩史氏だ。 「熱狂的なファンをつくる」ことを目的に2014年に創業したクリスプは、一貫して顧客との関係作りを重視してきた。 その証拠に、同社が2016年に開始した会員制度「クリスプ・コネクションズ」には、100回以上来店した顧客が対象となるランク「AMBASSADOR」に280名超が登録されているほか、最高ランクの「EVANGELIST」には830回超の来店を記録する会員がおり、着実にファンを獲得している。(2019年4月現在) 同社は顧客体験の向上のため、積極的にテクノロジーの導入をしているが、宮野氏はテクノロジーは店舗の主軸ではなく、「人」こそがお店の中心だと話す。同社がどのような考えでデジタルツールを導入してきたの
2019年4月17日、虎ノ門ヒルズにてCXプラットフォーム「KARTE」を提供するプレイド主催で、最先端のCX(顧客体験)を学び、体験できるカンファレンス「CX DIVE」が開催された。 昨年9月のカンファレンスでは「BORDERLESS」をテーマに、様々な業界で活躍するスピーカーが登壇、CXについて様々な知見が共有された。第二回のテーマは、越境よりさらに踏み込む。今回は、境目が溶け合う「THE SEAMLESS WORLD」がテーマだ。当日は、CXというテーマに向き合う800名を超える来場者が虎ノ門ヒルズに集った。 「良いCXやそこに宿る思考に徹底的に触れる時間を作りたいという思いから、CX DIVEは始まりました。最先端のCXに宿る思考や感情にDIVEし、学び、行動するが今日のテーマです。セッションの中には、なかなか『答え』までは到達できないような内容もあると思います。そういったテーマ
「過ぎるから、過ごすへ。待ち時間を、持ち時間に。」 こんなキャッチコピーを携えた施設が羽田空港にオープンした。時代と共に人々の価値観や行動は変化し、それに伴ってモノや空間の役割も変化せざるをえない。羽田空港にオープンしたのも、時代の変化に適応しようとする施設だ。 2018年12月、羽田空港第1ターミナル5階にオープンしたのは、「”待ち時間”を、利用者が行動を選べる”持ち時間”へ」と変える複合商業施設「THE HANEDA HOUSE」だ。同施設は、オーダーメイドのスーツ専門店「KASHIYAMA the Smart Tailor」、ボクシングフィットネスの「b-monster」など、14の店舗で構成されている。これらの店舗は従来の空港にあるお店とは異なる顔ぶれだ。 「THE HANEDA HOUSE」は空港を利用するお客さまに、どのような体験を提供しているのだろうか。日本空港ビルデング株式
福岡で行われた「Industry Co-Creation(ICC)サミット FUKUOKA 2019」(主催:ICCパートナーズ)。「ともに学び、ともに産業を創る」がコンセプトのこのカンファレンスで開催された「CX Leader Discussion – いま求められているCX(顧客体験)を議論する」というプログラムには、多くのビジネスパーソンが会場に集まり、CXについての知見を深めた。 前編では、株式会社クラシコムの青木耕平氏から「消費者を豊かにするCXの事例」や、ヤフー株式会社の井上大輔氏から「人をコンテンツ化する可能性」、そして株式会社 LDH JAPANの長瀬次英氏から飛び出した「カスタマージャーニーはいらない」といった話を紹介した。 「パーソナライズ」の極意はラジオにあった? 経営者らが語った、今消費者が求めるCXとは 参加者のCXに対するイメージを覆した前編に続き、後編では、変
好みを可視化し、パーソナルなコーヒーを届ける。UCCの「My COFFEE STYLE」が変える“家淹れ”の体験とは コーヒー豆の種類は実に多様だ。店で飲むときやコーヒー豆を買うときには、選ぶための「味の傾向」がガイドとして示されていることもある。 だが、「酸味が強め」だったり「ライト」といったガイドが示されていても、どれだけの人が自分の好みを把握できているのかという疑問が浮かぶ。案外、“何となく”で選んでしまう人も多いのではないだろうか。 いま、そんな“自分の好みを正確に把握できていない人”たちのコーヒー選びをサポートする取り組みがメーカーから生まれている。 感想を登録して自分の味覚を可視化する「My COFFEE マップ」 UCC上島珈琲(以下、UCC)が2019年3月にスタートした「My COFFEE STYLE」は、個人の嗜好に合わせたコーヒーが提案されるサービスだ。顧客の豆選びの
忙しくて時間はないけど、ご飯を安く腹いっぱい食べたい、そんなビジネスパーソンの外食を支える牛丼チェーン店「吉野家」。創業は1899年で120年の歴史を持つ。街なかで見かけるオレンジの看板は、遠くからでもよく目立ち、牛丼のいい香りを想起させる。 吉野家のコンセプトは「うまい、やすい、はやい」。コーポレートサイトには、このコンセプトは牛丼のみという単品ビジネスを長期にわたって営んできたからこそ育まれたアイデンティティだと記されている。 だが、社会の変化と共に、「うまい、やすい、はやい」にも変化が生じているようだ。 電源・Free Wi-Fi・テーブル席の「黒い」吉野家の出現 最近、吉野家は、黒をキーカラーにした「黒い」吉野家への改装を数店舗で進めている。店舗デザインにはグリーンが多用され、座席には電源があり、Free Wi-Fiも飛んでいる。オレンジ店舗のような忙しなさは抑えられ、居心地の良さ
ユーザーとしての自分を忘れない。ホットリンク飯髙氏が語る、SNS時代の企業が顧客と向き合うために必要な視点 人が呼吸するように、SNSを使う時代。SNSが人の「購買」に与える影響も大きくなっている。 新日本スーパーマーケットの調査によれば、「SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した」と回答した人の割合は年々増加。商品の購入を検討している時に、20代女性の4割はWebではなくSNS検索を行うというデータもある。SNSは“コミュニケーションツール”から“情報取得ツール”へと変化しつつある。 SNSと購買行動が接続される中、企業はSNSとどう関わるべきか。SNSデータの解析ツールを軸にSNSマーケティング支援を行う、株式会社ホットリンクの飯髙悠太氏に話を伺った。 SNS時代、購買に影響を与える「行動の可視化」 飯髙氏は、株式会社ベーシックでマーケティングメディア『ferret(フェレット)
ロボットが接客をすることで注目を集めた「変なホテル」など、最新のテクノロジーを積極的に活用したホテルが登場し、これまでの宿泊体験を変えようとしている。 2018年12月には、Alibaba(アリババ)グループが近未来型ホテル「Fly Zoo Hotel」をオープンした。顔認証システムを全面的に採用したほか、ロボットが様々なサービスを提供するなど、最新のテクノロジーを積極的に導入したホテルだ。今回はFly Zoo Hotelを切り口に、ホテル体験の在り方について考察したい。 ホテルのあらゆる場面でロボットが接客する「Fly Zoo Hotel」 Fly Zoo Hotelはテクノロジーを結集させた近未来型ホテルで、顔認証システムやロボットの活用により様々な新しい体験が提供される。 たとえば、専用のスマートフォンアプリで事前に自分の顔を登録しておけば、当日は顔認証でチェックインや部屋の解錠、ジ
アパレルブランドなのに『世界で一番ダサいブランド』を目指す。 アパレルブランドなのに『服の見た目のデザイン』にこだわらない。 アパレルブランドなのに『ブランドの権威』を作らない。 およそ、アパレルブランドの常識という常識を無視しているブランド「ALL YOURS」が人気だ。 2018年5月から24ヶ月連続でクラウドファンディングを展開し、毎回目標予想金額を上回る支援を集めている。これまで集めた総額は現時点で5,666万円。中には目標額100万円に対し、1,300万円もの金額を集めているプロジェクトもある。 ユーザーの支持だけでなく、「コム・デ・ギャルソン」や「Yohji Yamamoto」など日本が世界に誇るブランドも受賞した、日本のファッション業界でもっとも権威ある賞の1つ「毎日ファッション大賞」にもノミネートされるなど、業界の注目も集めている。 業界の慣習を打ち破り、ユーザーに支持され
職人の減少、後継者不足、使用道具の不足、価格の高さ。 さまざまな問題を抱える日本の工芸を、元気にする。そんな大きなビジョンを掲げ、着実に歩みを進めているのが工芸技術を使った生活雑貨を扱う中川政七商店だ。 工芸業界で初めてのSPA(製造小売)業態を確立しただけでなく、職人や工芸メーカーに「物を売るため」ではなく「ブランドをつくるため」のコンサルティング事業なども開始。売上は2018年2月期で57億2千万円となり、日本の工芸業界を支えるブランドとなった。 事業規模を拡大し、オウンドメディアやイベントの運営など取り組む内容が多岐に渡るにもかかわらず「日本の工芸を元気にする!」というビジョンはブレることはない。 中川政七商店はどのように顧客の心をつかみ、大きなブランドになったのか。同社の取締役でコミュニケーション本部 本部長を務める緒方恵氏に話を伺った。 徹底した言語化がブランドづくりの始まり ―
旅行業界における「店舗」の価値とは。池袋パルコに生まれた、“旅のはじまり”を作る空間が教えてくれたこと ー H.I.S. 旅行代理店の店舗に訪れたことがあるだろうか? 無数のツアー情報が並び、入店してすぐにカウンターが並ぶ光景は、筆者にとってハードルが高く、なかなか馴染みがなかった。 一般的な旅行代理店の店舗は、明確な目的や行き先が決まっている顧客が、予約や決済をする場として機能している。しかし、インターネット予約が当たり前となった今では、ベッドに寝転びながら、スマートフォン片手に予約ができてしまう。 消費者庁の発表によると、国内旅行と海外旅行ともに旅行の予約は「オンライン(パソコン)」が最も多く利用されている。若いほどスマートフォンでの予約割合も高い。「店舗に行かずに予約できる」「都合の良い時間に予約できる」といった理由が挙げられていた。 このような状況だからこそ、店舗の存在意義を改めて
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