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ドラクエ3
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「高学歴ワーキングプア」 最近話題の「高学歴ワーキングプア」を読んだ。実はナカムラもポスドクを2回やって,そのあとで一年ほど無職だったことがあるので,この問題はひとごととは思えない。(なんのこと? という方は「ポスドク問題」で検索してみてください。)もっとも,ナカムラが職探しをしていたころは今よりはるかに状況はよかったのだが。 で,読んでみてちょっと驚いたのだが,「行くべきか,行かざるべきか,大学院」という章で,「実は,角度を変えてみると,まだ大学院が有している魅力が見えてこないでもない」と述べて(p169),その魅力の内容として「目が開かれる」「コミュニケーションの達人へ」「生き抜く力を身に着ける」などがあげられている。 なんじゃこりゃ!? これは好きな異性と暮らす理由として,「収入が倍になるけど家賃は同じ」とか「炊事洗濯の手間が二分の一」とかをあげるようなもんじゃなかろうか。そんなこと
東京大学のアルバートアイラー returns 以前に書いた「東大アイラー本」の記事にたくさんコメントをいただいて,いくつか疑問点が生じたので同じ著者の「憂鬱と官能を教えた学校」も読まねば,と思っていたのだが,一時中断して他の買って読んでいない本を片付けている(「ドラゴンフライ」面白かった!)うちに日がたってしまって,最近ようやく読むのを再開したところである。…と思っていたら,昨日,かなり厳しいコメントをいただいた(12/04コメント欄参照)。 >何も知らない人が能天気ないちゃもんをつけているように読めました。 という御指摘である,確かにナカムラは音楽に関しては素人だし,さらに同じ素人でももっと詳しい素人の方もゴマンといると思われるので,「何も知らない人」といわれても仕方がないかもしれない。ただ,自分の書いたものには「しょうもないジョーク」も含めてそれなりに責任があると思うので,「そんな,素
水からの伝言 ここを読んでいるみなさんは良くご存じのたざき氏が 「水からの伝言」を信じないでくださいという文章を公開しておられる。ナカムラはもちろん,公開当初から読んでいて,自分のサイトでも紹介せねばなどと思っていたのであるが,何か気のきいたコメントでもつけないと芸がないなあ,と思っているうちにネット上のあちこちで話題になって,思いつくようなことはあらかた言われてしまった。(いくつか読んだけど「やればいいじゃん反証実験」という記事とそれに続くコメントはなかなか面白かった。)しかもgoogle八分疑惑なんかもあったりして,いまさら書くこともないのですが,たざき氏の趣旨には賛同しますので,おくればせながらとりあえずリンク張っときます。
疑似理解:東京大学のアルバートアイラー 最近話題の「東京大学のアルバートアイラー」という本を読んだ。これは東京大学でのジャズの歴史に関する講義をまとめたものである。行われた授業そのもののタイトルは「十二音平均律 → バークリーメソッド → MIDIを経由する近・現代商業音楽史」というものらしいが,それを本にするときに「東京大学のアルバートアイラー」というタイトルにしたのは,商業的にはなかなか秀逸。それはともかくとして,その原タイトル通り,本書の主張はジャズの歴史を理解するには「平均律,バークリーメソッド,MIDI」というのが重要なキーワードであるということだ。 この本の前書きには「ジャズ史に限らず,およそ人間が編纂する歴史は総て偽史である」という一文がある。つまり「正しい歴史」なんて決定版はなくて,編纂者のバイアスが必ず入る,ということだと思うが,それは正しいだろう。しかし,絶対に正しい歴
ハートのエースが出てこない? ジョーカーを除いたトランプ52枚をよくシャッフルして、その中からランダムに一枚抜き出すとしましょう。もし、そのカードがハートのエース以外だったら、あなたはその数字かける1万円もらえる、しかしハートのエースだったら、その回までに稼いだものを含めて、もっている金をすべて没収される。この賭けを何回かくりかえすわけだが、あなたはいつでも好きなときにやめることができる。ただし、ハートのエースをひいたらその回ですべて終了で、それ以上つづけることはできない。では、一定額の所持金からはじめた場合、何回めにやめるのが賢いか? このページをお読みの理系オタクなみなさんなら、こういう問題はお手のもので、ちょこちょこっと期待値など計算してしまうだろうが、重要なのは正確な計算値ではなく、この賭けをいつまでも降りないと、必ず全財産を失うということである。一回の試行で所持金を失わない確率は
ちょっと前に,とある書店の楽譜売場にいったら棚が「邦楽」「洋楽」と分類されていた。「洋楽」とかっていう単語を久しぶりに見たような気がする。そういえば,「歌謡曲」っていうのはもう死語になったのだろうか(注)。ナカムラが小中学生のころは,(1970年代なのだが)学校のクラスの男どもはだいたいみんな歌謡曲を聴いていて「天地真理 vs 浅田美代子」みたいな話題で盛り上がっていた。もちろん女の子は女の子で西条秀樹とか郷ひろみとかがアイドルだったわけである。そんななかで,クラスに2人か3人くらい「ビートルズ vs ローリングストーンズ」みたいなスカしたやつらがいて,「歌謡曲なんてガキむけの音楽なんか聴けるかい」と,ちょっと気取って「洋楽」を聞いていたように思う。 ナカムラはそんな洋楽派だったので,そのころはやった洋楽をいまでもよく憶えている。スリードッグナイトの「ブラックアンドホワイト」とかラズベリー
お返事 先日,見知らぬ方から,自分が画期的な研究成果(たとえば「相対論に代わる理論を造った」という類,実はちょっと毛色が違うが)をあげたので,専門家として検討してくれないか,というメールをいただいた。ときおりそういうメールをいただくのであるが,いつも以下のような返信をしている。今後,いっちょナカムラにメールでも送って自分の研究を宣伝するか,と思われた方はこれを読んで考え直していただきたいです。 拝啓 **様, おたよりありがとうございます。しかし,誠に申し訳ありませんが、お力にはなれません。お送りいただいた資料も以下にご説明する理由で,目を通していません。私のような研究者のはしくれでも、ときおり**様からいただいたようなメールを受け取ることがあるのですが、毎回同じようなお返事を差し上げています。 以下のような例え話を考えてください。ある日、突然に見ず知らずの他人から「新潟の山奥にサウジアラ
というわけで,先々週の 「業務連絡」でお知らせしたように,クマさんからの数学基礎論に関するメールをご紹介します。ナカムラの反応も同じページに書き込もうかと思ったのですが,煩雑になりそうなので,とりあえず,クマさんの原文を整形だけしてお届けします(ナカムラの反応は別ページに書きます)。その前にこれを読むのに必要な基礎知識を: 文中の「タダスちゃん」とはナカムラのことです。実はナカムラのフルネームは「ナカムラタダス(中村匡)」なのです。 文章の最後の方に「紅顔の美少年」という言葉がでてきますが,若かりし日のクマさんの写真をみたことのある学生によると,本当に美少年だったそうです。恐るべし・・・。 その次に書いてある「バリストでデモ」という専門用語がわかる方は,たぶん,ナカムラより年上でしょうね・・・。 クマです。 あ~っ、更新されてる!それも二つも。こっちが論文で忙しうしててちょっと覗かん 間に
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大谷・中村理論 もうそろそろ4月,職場や学校に新人がはいってきたりして,なかなか楽しい季節である。また1年たったのか,はやいなあ,自分がここに来たのもつい最近のように感じるのに,という方も多いだろう。今回は,その「1年たつのがはやい」というのは何故かという話題。(ナカムラにしてはマクラが短い。) 子供のころのほうが,時間がたつのが遅かったというのはだれしも感じるところだろう。この説明のひとつに,人間は今まで生きてきた時間との対比で時間の経過を感ずる,というのがある。たとえば1歳の赤ん坊にとって1年とは,いままで生きてきた全時間と等しいが,50歳のおっさんにとっての1年は,人生の50分の1でしかない。それでいちおう納得だが,話はもっと定量的にならないだろうか。いいかえれば,そういう人間の主観的な時間,つまり「体感時間」ではかると,自分は人生のこのあたり,というのを量的に計算することはできな
しなふぁい 宇宙ジャーナリストの松浦晋也氏のサイトで知ったのだが、この世でもっとも難しいピアノ協奏曲はクセナキスの「シナファイ」だそうな。(クラシックファンでないナカムラはなんとなくプロコフィエフかと思っていた。) この曲はなんと、16声ものパートを一人で弾かなくちゃならん(人間の指は10本しかない!)難曲で、最後の方のソロパートでは10段もの楽譜になっている(ここの解説参照)。こんなんありかいな。ナカムラは読譜能力がないので、この楽譜をみてもどんな音がなるのかちっともわからんがどんな曲なんだろうと思っていると、幸いなことに松浦氏の紹介しているサイトで音源のストリーミングがあった。 これは1996年にこの難曲を新日本フィルと共演した超絶ピアニストの大井浩明氏のサイトであり、ストリーミングの音源はそのときのライブ録音である。ナカムラのイメージでは現代音楽のプレーヤーといえば孤高の芸術家で、気
Fukui Jazz 東京ジャズに負けるとも劣らないことはない豪華メンバー出演と評判の福井ジャズが響のホールで開催されます。いや,実は先週からもうやってて,そちらがメインだったりするのですが,実は14日にナカムラが出演します。14日の一発目の「ドラブラタ」というバンドで数曲ギターを弾きます。お暇ならみにきてね。チケットが欲しい方はご連絡ください。 Tensor Wave 以前(いま日付をみると2003年だ。ときのたつのは,はやいのう。ところで,パナウェーブってまだ頑張ってるのかしらん。),音波がスカラーじゃなくてテンソルだとヨタ話を書いたが,実は本当だったみたい。なんて先見の明! (いや,そんな話じゃないんだが。…っていうか「先見」って変換しようとしたら「浅見」ってでてきた。…っていうか,今回は括弧内の文の方が地の文より多くなってしまった。) 時空の迷宮とアイルランド最悪のドライバー 以前
非ユークリッド心理学 御無沙汰です。実はこの2週間ほど,出張で千葉→京都とまわってました。その報告はのちに書くとして,以下はその京都で心理学を研究している友人からきいた「公理系心理学」の話。これは1990年代にオランダから始まった新しい動きで,主としてヨーロッパで研究されているらしい。日本にはほとんど紹介されていないので,ご存知の方は少ないだろう。 公理系心理学とは人間の欲求のなかの基本的なもののいくつかを「公理」ととらえ,他の欲求はあたかも幾何学の定理のように,それから演繹されるものと考える立場だそうだ。具体的には公理的欲求とは(1)食欲,(2)性欲,(3)好奇心(知識欲),(4)快適さの欲求,(5)自己肯定欲,の5つで,これらはどの人間にもある本能のようなものとみなされる。このうち,(1)から(3)までは解説の必要はないだろう。(4)の快適さの欲求とは,たとえば極端な暑さとか寒さを避け
Forgive them lord, they know not what they have done. 「小論文、コンピューターで自動採点 入試センターが試作」という記事を読んだのだが,彼らは自分たちのしていることの重大さを認識しているのであろうか? センター試験でこれを採用するとなると,そのアルゴリズムが公開されるか否かにかかわらず,各予備校は徹底的にそのソフトの評価基準を調べるだろう。そして高得点が得られるTIPS集がまとめられるが,これが事実上,将来の日本語論述の大枠を決定することになる。 高校生の年齢で自分の書き手としてのスタイルを確立している者は,ごく小数なので,多くの高校生にとってはそのTIPSのスタイルが知らず知らずのうちに標準になってしまう。そして,将来影響力のある文章を書く人間の多くは,そういうプロセスでセンター試験を突破した者になるので,巷で読まれる文章の多くがその
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