ある日、夫が起きてそのままの状態でぐうたらしていたので、「顔くらい洗ってくれば?」と促すと、のそのそと洗面所に向かっていった。それを背後から尾行し様子を覗き見ていたところ、なんと、眼鏡をかけたまま顔を洗いはじめた。「眼鏡を外すのが面倒だった」と言う。そんな日もあるよね、と軽く受け流せる話ではない。 いつだったか、顔を洗ったあと、顔面ビチャビチャのまま家の中をうろついていたこともある。思わず「タオルって知ってる?」と人間としての初歩的な知識を問うてしまった。 そういう事案を人に話すと、「やっぱり研究に没頭してるからだね」と、何故か感心されることが多々あるのだが、私としては夫の珍行動を大いに笑ってもらおうという腹づもりなので割と不満であるし、研究に没頭する者は顔もまともに洗えないという間違った認識を流布されたとなれば他の研究者の皆様方は迷惑千万であろう。 私も相当なガサツを誇ってきた人間である