ヤバい女にタゲられて人生をめちゃくちゃにされそうになった結果、なぜか小説家になった話【第4話:刃物を向けられる】 小説を読んでいると『張り付いたような笑顔』という表現が出てくる。 僕も自分の作品でよく使うが、人工的な笑顔とか愛想笑いとかの、本心からではないぎこちない笑みという意味だ。 マユミと交際している間の僕は、まさしくこの表情をしていたと思う。 リストカットやオーバードーズなどのたび重なるためし行動で支配された僕は、楽しくもないのにつねに笑みを浮かべるようになっていた。 楽しそうにしていないとマユミが不機嫌になるからだ。 もっとも、なにをしようと結局は機嫌を損ねるので、作り笑顔も台風のときのビニール傘程度の効果しか期待できないが。 一緒にいるだけでなく、楽しそうに笑顔でいることを求められた。 それができなければ問答無用でリストカット or オーバードーズである。 そんな状況で心から笑え