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ドラクエ3
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1 はじめに 近年カルテやレセプトを始めとした医療情報は徐々に電子化されつつあり、フロッ ピーディスクやハードディスク等に保存されるようになりつつある。また検査や 検診、研究の際に得られた被検者の検査結果もデータベース化されつつある。確 かにこのような形で医療情報が電子化されることには計り知れないほどのメリッ トがある。 まずカルテなどを保存する際のスペースが少なくてすむようになる。さらに紙に 書かれた情報よりも電子情報の方がコピーや編集が容易であるから、同一施設内 で同じ患者を担当している医師や看護婦のために必要な情報をコピーすることも 容易になる。また複数の医療施設にある同一の患者の情報を組み合わせることに よって、より正確な診断が可能になる、不必要な検査を省くことができるといっ たメリットもある。さらに他の医療機関から診療上のアドバイスを得るために、 患者のレントゲン画像やMRI画像
*) アンスコムの主張に対する最初の反応はそこそこのものであったが、1980年代 に入り、徳に対する関心は勢いを増した。その大きな原因となったのは、フィ リッパ・フット、バーナード・ウィリアムズ、アラスデア・マッキンタイアな どの哲学者たちの著作である。今日では徳についての哲学的文献は膨大にあり、 自らを徳倫理の一形態だと公言するさまざまな見解が存在する (* 徳倫理に関する題材の包括的な目録は Robert B. Kruschwitz and Robert C. Roberts, The Virtues: Contemporary Essays on Moral Character, Belmont, Wadsworth, 1987. にある。 徳倫理に関する最近のよい論文のコレクションは、 Roger Crisp (ed.) How Should One Live? Essays on
[はじめに] 本稿では、『日経バイオビジネス』2001年7月号に掲載された、同年5月の「遺伝子スパイ事件」を扱った記事を紹介する。 元の記事は2部構成となっている。前半部分では、「非はどちらにあるか? “遺伝子スパイ事件”というミステリー」と題して、遺伝子スパイ事件に関して検察側が提出した起訴状をもとに事実関係を追いながら、事件に対する関係者の見方を紹介している。後半部分では、「研究者人生を守るため契約書を味方につける」と題して、今回の事件を生み出した背景は何であったか、また、再発を防止するためにはどうすればよいかという考察がなされている。 また、本稿の最後には、今回の事件から読み取れる今後の課題について、紹介者による若干の考察を付した。 [用語説明] まず、記事中で用いられている主な用語についての簡単な説明を以下に記しておく。 クリーブランドクリニック財団 米オハイオ州クリーブランドにあ
『情報倫理学研究資料集 III』目次 注:以下のコンテンツは、2001年6月に刊行された『情報倫理学研究資料集III』の内容をほぼそのままpdf化したものです。また、引用等で用いる場合には頁数表記のあるペイパー版を参照して下さい。 扉 はしがき 目次 情報倫理の構築プロジェクトについて 平成12年度FINE研究組織 第一部 論文 安彦一恵「「ヴァーチャル/リアル」という問題――現代世界の問題として――」 土屋俊「日本国著作権法第31条の倫理的位相」 伊藤和行「電子暗号の発展――秘匿と認証――」 伊勢田哲治「価値論的思考実験とVirtual Reality」 伊勢田哲治「道徳性に関する文化的淘汰モデルと情報倫理教育」 吉永敦征「アメリカの大学における計算機上の情報に対するプライバシーの保護」 小特集 医療情報における情報倫理 ウルバン・ヴィージング(澁谷理江、板井孝
出典 Langon Winner, "Cyberlibertarian Myths and the Prospects for community" in D. Johnson & H. Nissenbaum, Computers, Ethics & Social Values , Prentice-Hall, 1995. キーワード サイバーリバタリアニズム(cyberlibertarianism) 技術的決定論(technological determinism) 徹底的個人主義(radical individualism) 自由市場(free market) 共同体(community) 1 序 日常世界のあらゆる場面でコンピュータ化・ネットワーク化が加速度的に進行している現在、既にコンピュータやネットワークの存在は我々の生活に欠かせないものとなりつつある。しかしそれ
千葉大学FINEホームページ / 広島大学FINEホームページ / FINE Kyoto English Page 「情報倫理の構築(FINE)」プロジェクト このページは「情報倫理の構築」プロジェクトのホームページです。 FINEは、Foundations of Information Ethics (情報倫理の構築プロジェクト)の略称です。 FINEは、日本学術振興会 平成10 年度未来開拓学術研究推進事業の研究プロジェクトです。 FINEは、京都大学院文学研究科、広島大学文学部、千葉大学文学部を研究 委託先機関とします。 お知らせ 「情報倫理の構築」プロジェクトは、2003年3月をもちまして終了致しました。関係者の皆様、5年間ご協力を賜りまして、誠にありがとうございました。 新刊関連著書のお知らせ 水谷雅彦、越智貢、土屋俊編著『情報倫理の構築』が新世社から刊行されました。
「ヴァーチャル/リアル」という問題 ̶現代世界の問題として̶ 安彦一恵 はじめに 厳密に考えていくためにまわりくどい表現になるが、いまコンピュータやインターネットを核 とする諸技術によって可能となっている一つの空間を「サイバー・スペース」1 と呼ぶとして、 これについて正反対の評価がなされている。その評価のポイントとなっているのは、それが本 的に含む「仮想性」である。すなわち、一方では肯定的に、「仮想性」によって人間の在り方に 一つの創造性が与えられると られ、他方では否定的に、「仮想性」は人間の在り方にとって有 害であると説かれている。利・害両 . 方 . の側面が在るからこうなるのだと うことは可能であろう が、以下、̶̶この二面性の存在を否定しはしないが̶̶基本的に「サイバー・スペース」を肯 定する立場で、「仮想性」に対する否定的評価について基底的なところから批判的検討を加えて
本稿では、内井惣七氏が論考「道徳起源論から進化生物学へ」(以下、この論文からの引用は「第○節」という節番号で示す)で展開した還元主義のプログラムを批判的に検討していきたい。内井氏は道徳的価値を非道徳的な価値に還元するという意味での還元主義のプログラムをすすめているが、進化論からの道徳の起源に関する知見が、このプログラムに重要な役割を果たす、というのが内井氏の見込みである。わたしは内井氏の還元主義のプログラム自体にはシンパシーを抱くが、内井氏の引用するような進化論からの知見がどれほどそのプログラムに役に立つかについては懐疑的である。むしろ、道徳性を文化的産物と見なして、進化の歴史から切り離して考えた方が実り多い議論ができるのではないだろうか。本稿では以上のような点について掘り下げてみたい。 6 規範倫理学の基盤としての進化論生物学 進化論からの知見ははたして規範倫理学の問題を考える上で役に立
*)。そして「女神になるよりはサイボーグになりたい」と結 論していた。ハラウェイの夢は、ジェンダーは本質的なものでも男と女という二元的なものでもないというポストモダニズムの理論的 信条から生まれている。ジャクリン・ジータは、この信条は、そこで身体が「再発明」されるコンテクスト上の場所を変えることによっ て男性が女性へ変容することを可能にする、と主張する(* *)。この認識は最近ではアメリカの同性愛理論の発展において現れている。現在多くの同性愛団体は、コン ピューターを文化的偶像と考え、それをジェンダー・人種・性的志向の差異を無化するユートピア的媒体として理論化している。 こういった新しいコミュニケーション媒体の出現はフェミニズムにも影響を与えてい るが、1990年代はじめに2つのフェミニズムが異なる反応を示している。ホールは2 つをまとめてサイバーフェミニズムと呼び、これらを調停したいと考
研究会資料 第6回 FINE 京 2000 年 5 月 27 日 機械は自由意志をもつことができるか 羽地 亮 発表の 子 量子力学に基づく自由意志のほのかな可能性について概観した後、(1)選好なしの状況において ランダムに選択する自由(選択の任意性の自由)、(2)両立論 ( compatibilism ) が主張する自由(自 発性の自由)、(3) 論的な自由(反因果的自由)のそれぞれを機械が所持する可能性について 考察する。(1)と(2)については肯定的な答え、(3)については否定的な答えが与えられる。また、 この考察は、人間がある種の機械であり(デジタルコンピュータではない)、かつ、人間が自由 な選択を行うことができる、という主張を伴う。そして、このことを認めることは、現代科学に 反しない。しかしながら、自由意志をもつ機械の実現のためには、知 の問題(フレーム問題) が 決されな
1.はじめに 今年9月、文部科学省は「ヒト ES細胞の樹立及び使 用に関する指針を告示・施行した。ES細胞は生物のあらゆる組識に分化する能力を持 つとされ、将来的には医療などへの応用が期待されている。1998年にヒトES細胞が発 見されて人への応用が現実味を帯びてきた今、どこまで研究が許されるべきかという 倫理的な検討を必要としており、日本を含めた各国でES細胞の研究を規制する動きが 出ている。新聞・雑誌等でもES細胞に関する報道が行われているが、本報告ではそれ らの記事をよりよく理解するため、ES細胞と各国の対応について整理することによっ て問題点を明らかにしてみたいと思う。 2.用語解説 まず、ES細胞に関する生物学用語の簡単な説明を以下に記す。 胚 embryo 生物の受精卵が細胞分裂をはじめ、個体の基本的な構造を作るための細胞分化を終え るまでの状態をさす。ヒトの場合、受精して約1
司会挨拶、提題者紹介 只今からFINE千葉フォーラム第一回を開催いたします。私は千葉大文学部でこのプロジェクトのリサーチアソシエイトを勤めております塩谷と申します。よろしくお願いします。FINEといいますのは今年度から学術振興会の未来開拓事業という形で行われております「情報倫理の構築」というプロジェクトの略称でございます。京都大学、広島大学、並びに千葉大学の三拠点におきまして、複数年次計画におきまして21世紀における全般的な情報倫理の構築を目指すプロジェクトとして活動を始めたところであります。各拠点ごとに様々な活動を行っておりますが、今回その一環といたしまして専門家の方々をお招きし、自由な討論を交わしながら新たな倫理像を探っていこうと考えております。 今回第一回目といたしましてFINEのプロジェクト全体のリーダーであります京都大学の水谷雅彦先生、そしてもう一人、FINEのコアメンバーであり
本報告では、インターネットのWWW(World Wide Web)で利用されるハイパーリンク(リンク)に倫理問題があるのかどうか考察する。 ホームページにリンクを張ったことで法的責任が問われている事件が、最近2つある。一つは、96年に関係者が逮捕されたいわゆるFLMASK裁判(岡山地裁および大阪地裁)の事例である。この事件では、わいせつ画像の可逆的な修正にも使われるマスキング・ソフトの作者が相互リンクによってわいせつ物陳列罪の幇助に当たるとして起訴され、99年2月現在も係争中である。 もう一つは、96年の広島県のプロバイダの役員が逮捕されたケースである。このケースでは、広島県のプロバイダが自社のWWWページからわいせつな情報がない会員ページにリンクしたところ、この会員ページがわいせつ画像のあるホームページにリンクしていたことから、わいせつ物陳列罪に当たるとして、広島県警に同社の役員が逮捕さ
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