地球温暖化対策のためとして推進される原発だが、その不安定な稼動が自治体の対策に悪影響を与えている。本当に原発は温暖化対策に役立つのか? 原発の電気はCO2排出が少ないと言われているが、文献レビューや温対法にもとづく報告データの解析により、実際には多量のCO2を排出している実態を明らかにした。原子力産業の排出合計は、なんと山梨県の全事業所の排出量に匹敵していた。 1. CO2排出量に大きな影響を与える電気の排出係数 「大阪府域における2007年度の温室効果ガス排出量は5,440万トンであり、1990年度と比べ5.9%減少し、前年度と比べても減少している。」大阪府が最新のデータとして公表しているホームページを見ると、次のような注釈がついています。「2007年度の排出量は、電力の排出係数を2006年度と同じとして算定している。」 排出量統計では、発電所での発電時のCO2排出を電力の最終消費部門に