サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
www.newsweekjapan.jp/kitajima
<スタジアムという「点」でなく、セーヌ川という「面」を舞台に設定したパリ五輪の開幕式は、「多様性」の表現を「愛」という概念で包摂して、祝祭的空間にまとめ上げることに成功した。「フランスの物語」が世界を感動させたが、なぜ3年前の東京大会でこれができなかったのか> パリ五輪の開会式が26日夜(日本時間27日早朝)に行われた。高速鉄道TGVへの破壊工作が直前に発生し交通網が混乱、天候にも恵まれず時に雨が激しく降る中であったが、予定通りに開催され無事に終了した。 初めてメインスタジアムの外で開催された夏季五輪開会式だ。これまでにない革新的な構成が取られ、大きなインパクトを与える演出内容だったが、新しい試みに対する批判の声もあがっている。 確かに、選手団の川下りは「グダグダ感」を否めず、選手一人ひとりの様子もカメラ越しには良く分からないことが多かった。乗っている船の種類もバラバラで、選手団の規模によ
<自民党の派閥パーティー券問題は、松野官房長官の進退へと火の手が拡大している。裏金問題の捜査は「黒川問題」で傷付いた威信を取り戻す検察の復権過程の最終段階ともいえるが、より重要なのは政党が腐敗防止の具体策をいかに自律的に打ち出せるかだ> 自民党の派閥パーティー券裏金問題が政権中枢を直撃した。1000万円超のキックバック疑惑が浮上した松野博一官房長官を交代させる方針を岸田文雄首相が固めたと12月9日、各メディアが一斉に報じた。事実上の更迭だ。他にも世耕弘成参議院幹事長、高木毅国会対策委員長らの実名が報道されている。いずれも清和政策研究会(安倍派)の幹部で、岸田政権を中枢で支える重職だ。仮に今回の実名情報が検察筋のリークだとしたら、13日予定の臨時国会閉幕を待たず10日の江東区長選への影響を顧みないタイミングでのリークであり、捜査にかける不退転の固い決意と警鐘としてのメッセージが滲む。そうでは
井ノ原快彦アイランド社長も難色を示していた「NGリスト」...配布の強行と失敗はとても「日本的」だった <会見でリスク管理するはずだった外資系広報コンサル企業のミスは「非常に日本的」で、誰も笑えない> ジャニー喜多川氏による性加害問題に関して10月2日に開いた記者会見で、質疑応答の指名を避ける記者の「NGリスト」が用意されていたことが発覚し、ジャニーズ事務所が窮地に陥っている。 会見では社名を「SMILE-UP.(スマイルアップ)」へ変更し、ジャニーズという名称を根絶すること、藤島ジュリー景子前社長が代表権を返上し被害者救済に専念した後に会社を廃業すること、タレントのエージェント管理を行う新会社を設立すること......などが表明された。 被害者救済と再発防止、事業体制の再構築とガバナンス確立の具体策が十分に説明されたとは言い難いが、一定のインパクトを与える内容だった。 ところが、4日午後
記者会見で謝罪するジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦、新社長の東山紀之、前社長の藤島ジュリー景子(左から) Kim Kyung-HoonーREUTERS <「水に落ちた犬」としてメディアに叩かれ、企業のCM撤退が始まったジャニーズ事務所。どこで、どの判断を誤ったのか。コンプライアンス専門家が説く「失敗の本質」> 9月7日に行われたジャニーズ事務所の会見ほど近年、注目を集めた記者会見はないだろう。ジャニー喜多川前社長による性加害を事務所として認め、藤島ジュリー景子社長は引責辞任した。しかし代表取締役に残留し、社名も変更しない方向という歯切れの悪さに批判の声は鳴り止まない。 この事件は3つの特徴を有している。第一に、日本の芸能界において長年「公然の秘密」だった性加害が「外からの指摘」によって可視化されたことだ。 英公共放送BBCのドキュメンタリー番組"PREDATOR The Secret
<ウクライナ戦争開始後、G7で唯一トップがキーウを訪問していない国になった日本。議長国である広島サミット前の訪問実現が岸田首相の喫緊の課題だが、開会中の国会が「足枷」になっている。だが打開策はある> いま国会で、岸田文雄首相によるキーウ訪問が焦点の1つになっている。 2月20日にバイデン米大統領がキーウを電撃訪問し、21日にはメローニ伊首相も訪問している。ウクライナとの「距離(感)」は同じとは言えないが、G7加盟国で日本だけが首脳訪問を実現できていない。ウクライナ侵攻から1年となる24日に開催されたG7首脳テレビ会議でゼレンスキー大統領は改めて、岸田首相の訪問を歓迎すると述べた。日本が議長国となるG7広島サミットではウクライナ危機対応が主要議題になる。開催まであと2カ月だ。 これまでにも、国会閉会中のタイミングでウクライナを訪問する試みがあったと言われているが、実現に至っていない。1月22
銃撃され死亡した安倍元首相に議場で哀悼の意を表す国会議員(8月5日)。宗教と政治の関係性が問われている ISSEI KATOーREUTERS <山上容疑者が撃ち抜いた「政治と宗教のなれ合い」。惨劇はなぜ起こったか。日本の政教分離はどうあるべきか> 安倍晋三元首相が7月8日、凶弾に倒れた。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対する恨みを晴らす犯行と報じられたことから、「カルト宗教と政治家」の関係に社会の関心が集中。国葬実施の是非で国論が二分されるなか、8月10日に岸田文雄首相は人心一新の内閣改造に踏み切ったが、国民の厳しい視線は変わらず、内閣支持率が急降下している。 山上徹也容疑者が事件直前に投函した手紙や、2019年10月に開設したツイッターの投稿を見ると、彼の母親が1億円超の巨額献金を行って破産し、家庭が崩壊したことに対する積年の憎しみと復讐心が吐露されている。 昼の世界が突然闇の世界に
<参院選が始まった。当初は「ほぼ無風」と見られたが、インフレと円安で微妙に与党・岸田政権への風向きが変わりつつある。しかし今回の選挙で有権者の審判を受けるのはむしろ野党だ> 参議院選挙が22日に公示され、7月10日の投開票日まで18日間の選挙戦が始まった。岸田首相は勝敗ラインを「非改選を含めて与党で過半数」としているが、自民党優位が伝えられている現状からすればかなり低いハードルだ。むしろ「比例区で最多得票を得る野党は立憲民主党か日本維新の会か」、「立憲民主党の泉健太代表は選挙後に交代に追い込まれるのか」といったような野党側の事情に関心が集まっているが、それは今回の選挙の本質を示しているとも言える。 参議院選挙は、首相指名で優越する衆議院の総選挙と異なり、政権「選択」選挙ではない。しかし今回の参議院選挙は、2021年10月の発足直後に解散総選挙に踏み切り勝利を収めた岸田政権にとって、通常国会
総裁選への不出馬表明後、IPCのパーソンズ会長との会談に向かう菅首相(9月3日)REUTERS-Behrouz Mehri/Pool <「危機管理型内閣」を率いていた菅首相が自らの政治的危機を回避できなかったのは、安倍前首相と麻生副首相、そして二階幹事長との関係維持にエネルギーを割く「重鎮政治」に翻弄されたのが大きな理由。無派閥政治家ゆえの悲哀だが、来たる自民党総裁選で、派閥は結果を左右しないかもしれない> 菅義偉首相は9月3日、「新型コロナ対策に専任する」として自民党総裁選に出馬しないことを党役員会で表明。突然の「退陣表明」に衝撃が走った。新型コロナ感染拡大と支持率低下という逆風下での「苦渋の決断」か、「追い込まれた末の投げ出し」か。昨年夏の安倍首相退陣を受けて発足した菅政権は、暫定政権としての性格を払拭することなく、わずか1年で終焉を迎えることになる。 菅政権はそもそもコロナ禍の中で誕
<報道各社の世論調査で菅内閣の支持率が急落した。新型コロナ対策が泥縄式に陥っていることへの国民の不満の発露だ。ワクチン接種が進めば支持率回復の希望もあるが、それでも東京五輪開催というメガトン級の難題が待つ> 菅内閣の支持率が「急落」したとするニュースが相次いでいる。朝日新聞は「内閣支持33%に急落」、時事通信は「内閣支持32.2%、発足後最低」と伝えている。FNN・産経新聞の最新調査では支持率は43.0%あるが、前回(4月)と比べると9.3ポイントも減少しており、不支持率は10.9ポイント増加して52.8%となっている。 果たして菅政権の「潮目」が変わったのだろうか。 各社共通して言えるのは、「不支持率が支持率を逆転」していることであり、個別の調査結果からは「新型コロナ対策への不満」が背景にあることが分かる。4月23日に発令された3度目の緊急事態宣言は、5月11日までとされていた終了時期が
<安倍前首相の「菅続投」発言で、政局の焦点はいつ総選挙が行われるかに絞られた。7月の東京都議選、菅首相のお膝元・横浜市で8月に実施される市長選、そして初の女性宰相を狙う小池百合子都知事の「五輪中止カード」......というファクターはあるが、説得力があるのは9月5日のパラ閉会後の解散だ> 「総裁選挙、去年やったばかりですから。1年後にまた総裁を代えるのか、自民党員であれば常識をもって考えるべきだと思いますし、当然、菅総理が継続して総理の職を続けられるべきだろうと私は思います」 5月3日、安倍晋三前首相がBSフジ「プライムニュース」の生放送で、菅首相の再選支持をはっきりと表明した。更に、次の総裁選における菅再選を前提に、「形式的に総裁選を無投票で終わらせるのか、ないしはそれなりに自民党には多士済々で色々な人がいるんだよというのを見せる意味もあって総裁選で活発な論議をするのか」という反町理キャ
衆参補選・再選挙敗北でダメージを受けたのは菅首相(左)でなく岸田氏?(昨年9月の自民党総裁選)Kim Kyung-Hoon/Pool-REUTERS <4月25日投開票の広島・長野・北海道の衆参3選挙で野党系候補が全勝した。不戦敗も含めて与党側が全敗するという結果に衝撃が走っているが、実は菅政権へのダメージはほとんどない> 4月25日に投開票が行われた広島・長野・北海道の衆参3選挙で野党系候補が全勝した。菅政権発足後初めてとなる国政選挙で、不戦敗も含めて与党側が全敗するという結果に衝撃が走っているが、菅首相の解散・総選挙戦略にどのような影響を与えるだろうか。 今回の選挙で最も注目されていたのが参議院広島選挙区再選挙だ。公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里元参院議員の当選無効に伴う再選挙で、各社の出口調査によると、最大の争点となったのは「政治とカネ」。2019年の参議院選挙で河井克行元法相
<千葉県知事選で熊谷俊人氏が自民系候補に100万票の大差を付け圧勝した。政党支持率で今も圧倒的な自民党がなぜ敗れたのか。選挙結果の分析から見えてくる、来たるべき総選挙への影響> 3月21日投開票の千葉県知事選挙で、熊谷俊人・前千葉市長が約140万票を獲得し当選した。自民党推薦候補の関政幸・前千葉県議に約100万票差をつけた圧勝だ。同時に行われた千葉市長選挙でも、副市長として熊谷市政を支えてきた神谷俊一氏が当選した。 熊谷氏の獲得した約140万票は史上最多票数だが、これまでの千葉県知事選挙の中で100万票近い差がついた前例はある。2013年の知事選挙で森田健作候補が約123万票を獲得、次点の三輪定宣候補(共産党推薦)に対して約94万票の差をつけている。しかしこの選挙は、現職知事だった森田健作氏2期目の信任投票という意味合いが強く、大差で再選を果たすことは織り込み済みの選挙だった。 今回の選挙
<再びの文春砲でNTTに飛び火した総務省接待事件。今後の展開を読み解く3つのポイントと、「国民的インフラ」である通信業務を担うNTTと政界の間に横たわる深い闇> 総務省接待事件がNTTに飛び火した。先週発売された週刊文春による報道を受けて、総務省が内部調査を開始。3月8日に発表された中間報告によると、谷脇康彦総務審議官が計3回総額10万6852円、国際戦略局長も4万8165円(いずれも参加者1人当たりの頭割り単価)相当の接待をNTTとNTTデータ経営陣から受けていたことが判明した。 谷脇総務審議官は、東北新社接待事件を追求された衆議院予算委員会で「国家公務員倫理法に違反する会食は(他には)ない」と答弁したばかりだった。「昨日の今日」とはこのことで、武田良太総務相は「行政に対する信頼を失墜させた」と、谷脇氏を大臣官房付に異動。事実上の更迭処分に踏み切った。 今回のNTT接待事件のポイントは現
<7万円の高額接待を菅首相の長男が勤める東北新社側から受けていたことが明るみに出た山田内閣広報官が辞任した。反縁故主義・既得権益打破を掲げる菅首相の「秘蔵っ子」の落馬は、政権にこれ以上ないブーメランとして突き刺さる> 山田真貴子内閣広報官が辞職した。3月1日の朝、衆議院予算委員会で集中審議が行われる直前のタイミングだ。「体調不良」による入院で職務継続が難しいとして、退職願が閣議了承された。 先週2月24日には総務省接待事件の関係者11名に対する処分がなされたが、その際に山田内閣広報官も「給与の60%(70万5000円)を自主返納」するとしていた。既に総務省を退職済みであったので、懲戒処分ではなく、自主的な対応だった。 しかし、7万円を超える高額接待に対する批判は鳴り止まなかった。2月25日の予算委員会で、「菅首相の子息が同席したことは大きな事実ではない」などと言い切ったことも含めて、事案の
<「文春砲」に端を発した総務省接待事件で、同省は調査結果を公表した。総務省と「深い」関係を築いてきた菅首相は、綱紀粛正を断行できるのか。そして、事件は強制捜査に発展するのか> 総務省は2月22日、東北新社による接待事件の調査結果を発表した。それによると、総務官僚計12人が受けた接待は延べ38件、合計53万4104円に達し、それ以外に現内閣広報官が総務省在職当時、7万円を超える接待を受けていた。週刊文春が報じた総務省幹部4人への接待は氷山の一角だったことが明らかになった。 東北新社から接待を受けた官僚12人の大半は、衛星放送事業を所管する情報流通行政局に関係していた。同局は総務省内で「情流(じょうりゅう)局」と略されるが、さしずめ「上級国民」ならぬ「上流国民」達による宴の後といった様相を呈している。 コロナ禍で外出自粛や飲食店等の営業時間短縮要請に苦しむ国民をよそに、日本橋の料亭をはじめとす
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『www.newsweekjapan.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く