著者はアゴラでも、著作権の過剰保護についてたびたび警告してきた。アメリカではグーグルがGoogle Booksで著作権保護のオプト・アウト(権利者が拒否しない限り許諾したとみなす)への転換をめざし、欧州議会はACTA(海賊版防止条約)を否決するなど、少しずつ方向転換が始まっているが、日本は逆にまねきTV事件のようにクラウドサービスを禁止する方向に動いている。 この一つの原因は、日本の立法過程の特異性にある。立法府である国会がその役割を果たさず、官僚のつくった内閣提出法案が8割以上(重要法案のほぼすべて)を占める状況では、閣議決定の前に勝負が決まり、国会はほとんどチェック機能を果たしていない。特に著作権法のようなテクニカルで票にならない法律は、官僚が決めた通りになりがちだ。 審議会などの閉じた場での議論では既存の業界のロビイストが強く、彼らが官僚より情報優位になるので、regulatory