毎年、東洋経済新報社は『CSR企業総覧』という雑誌を発行しているが、この中に各企業の内部通報の通報件数が掲載されている。9月5日の東洋経済オンライン「最新!「内部通報件数が多い」会社ランキング」で通報件数上位の企業が確認できる。 大変な数である。トップのセブン&アイホールディングスなどは、実に一日に2件近くの通報があるという実態だ。 記事の中にも書かれているように、内部通報は会社内の透明性を高めるために有効とされている。また、昨今ではある程度の数がある方が健全であるとされる。全くないということは、むしろ内部でもみ消しがあると想定されるからである。したがって、内部通報の件数の多さは、むしろオープンな社風の表れであると解釈される。 本当にそうだろうか。これだけの数の内部通報があって、それでもオープンな社風だとか、不祥事の少ない健全な経営のために不可欠だとか、そのように言うことができるだろうか。