福島第1原子力発電所事故による電力不足を乗り切るため、日本では企業ごとにサマータイム(夏時間)を導入するケースが目立っている。 ロシア極東のサハリンとほぼ同じ緯度の英国では夏の日照時間が日本に比べて長く、グリニッジ標準時で3月最終日曜日の午前1時に時計の針を1時間進める。10月最終日曜日の午前2時になると1時間逆戻しにする。 夏時間の間は、仕事が終わってからでも公園にピクニックに繰り出せる。英紙タイムズのコラムニスト、アナトール・カレツキー氏は「3月の最終日曜日、生活を変える奇跡に近いことが起きた」と毎年新鮮な夏時間の感激を記している。 そもそも夏時間は戦争中の燃料不足対策として始まった。第一次大戦中の1916年、ドイツに続いて英国が実施。第二次大戦中、チャーチル英首相は標準時を1時間早めて中央欧州時間に合わせ、夏はさらに1時間進めて限られた資源を長持ちさせ、ナチス・ドイツとの戦いに勝利し