途上国リスク 日本企業が抱える課題は重い(1月26日付・読売社説) アルジェリアで起きたイスラム武装勢力による人質事件は、海外展開する日本企業に危機管理体制の見直しを迫った。 ビジネスチャンスを拡大しながら、テロなどのリスクにどう備えるか。難しい課題の両立策を模索しなければならない。 犠牲になった大手プラントメーカー日揮と関連会社の社員10人のうち9人の遺体と、無事だった7人が、政府専用機で帰国した。 日揮は1960年代からアルジェリアの資源開発に取り組み、アフリカだけでなく、中東、アジアなど世界に展開してきた。 売上高に占める海外比率は7割超に達し、海外で稼ぐパイオニア企業である。途上国ビジネスに精通していた日揮ですら、テロに巻き込まれたのは深刻だ。 川名浩一社長は記者会見で「安全を確保しながらビジネスを進めていく課題を突き付けられた」と述べた。海外展開する日本企業に共通の課題と言えよう