東京五輪は国民が前を向くための希望であり、厄介者にしたくはない。開幕までの残り半年、日本の責務は粛々と開催準備を進めることだ。 大会の1年延期を強いた新型コロナウイルス禍は、国内で収束の気配が見えず、変異種の世界的な広がりも人々の不安をあおっている。 今夏の開催可否をめぐり悲観論や臆測も飛び交っているが、大会組織委員会と東京都は惑わされてはならない。 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「7月に開幕しないと信じる理由は、現段階で何もない。だからプランB(代替案)もない」と述べ、中止や再延期を否定した。この姿勢を支持したい。 コロナ禍の中で、スポーツ界は競技大会の新たな開催方法を模索し、知見を積み重ねてきた。選手を外部から完全に隔離する手法は各地で成果を挙げている。五輪の期間中は選手村での滞在時間も大幅に短縮される。水際対策の徹底と併せ、日本での感染リスクを抑え込むことは、海外選手