だれのせいでもない。自分が悪い。そんなつぶやきに共感する若者が多いらしい。先日NHKテレビでそんな番組を見た。現在の不遇な環境、不幸は社会の責任ではないし、まして親の責任でもない。だからいくら困窮しても助けてといえないのだそうだ。30代の若者の現象らしいのだが、日ごろ学生を見ていて同じように感じることがある。心優しいのか、誰が悪い、社会が悪い、教師が悪いなどといわない。毎日の生活に被害者意識が薄い。私の子どものころは、毎日食うものに困り、親からは家業にこき使われ、何もいいことがなかった。なぜこんなに自分は不幸なのか、と思うと同時に、自分が悪いから不幸なわけではない、周りが悪いのだと考えた。事実社会はまだ貧しかった。家業は二度も倒産した。社会への関心政治への関心はそのころから生まれた。 だからテレビがいうところの自分が悪いという若者の論理がよく分からなかった。大不況になってもストライキひとつ