超大国の次期指導者に、当初は泡沫(ほうまつ)候補扱いだったトランプ氏が決まった。 不動産王として知られてはいたが、政治経験はない。イスラム教徒の入国禁止を叫ぶなど数々の暴言、失言で世間を騒がせた。そういう氏の勝利は衝撃的であり、同時にアメリカ国民の選択にも驚きを禁じ得ない。 その行方は不透明だが、米国が劇的な変化を求めた結果を冷静に受け止めるしかない。 日本は米国を最も重要な同盟国と位置付けてきた。問われるのは、自由と民主主義などの価値観を共有する関係を今後もいかに維持していくかの具体論である。 《価値観共有への努力を》 格差拡大をめぐる不満などに起因する国内の対立の解消は、米国自らの手で行う問題である。だが、トランプ氏が訴える「米国第一主義」が孤立主義につながりかねない以上、自由貿易拡大の理念を貫徹するよう、日本は働きかける必要がある。 予想外の展開、規格外の人物の登場により「トランプ・
政治や公職の経験がない人物が初めて米国の大統領に就く。日本などとの同盟の見直しを公言している。「予測不能」の事態の展開にも冷静に対処することが肝要である。 米大統領選で、共和党のドナルド・トランプ氏が、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官を接戦の末に破り、当選を確実にした。来年1月20日に就任する。 トランプ氏は「米国を再び偉大にする」をスローガンに、オバマ民主党政権からの転換を唱えた。実業家の実績を強調し、「米国第一」の孤立主義と保護主義を打ち出した。国民皆保険を目指す「オバマケア」の撤廃も掲げた。 ◆亀裂を修復できるか 政界に縁がない「アウトサイダー」としての「変化」の訴えと過激な主張が、現状に不満を抱く有権者に浸透したのだろう。 社説でトランプ氏を支持した新聞は皆無に近い。世論調査に基づく予測は覆された。内心では変革を願う「隠れトランプ」票を読み誤ったのではないか。 焦点となってい
【ワシントン支局】米大統領選は8日、投開票され、共和党のドナルド・トランプ氏(70)が民主党のヒラリー・クリントン前国務長官(69)を破り、第45代大統領に就任することが確実となった。AP通信が9日報じた。 大票田のフロリダ州をはじめ激戦地のオハイオ州などを制し、獲得選挙人数でクリントン氏を上回ることが確実となった。 共和党はブッシュ前政権以来、8年ぶりの政権奪還。初の女性大統領誕生と民主党の3期連続政権を阻止した。
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