実は正確な書名は「日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか(著者岩瀬昇)」 これは書評ではなく、この本を参考に日頃考えていることをまとめてみた。 アメリカが昭和16年夏に石油を全面禁輸したことが日本を対米戦に駆り立てた決定的要因であったことはよく知られている。昭和天皇独白録でもこのことに触れている。 だがアメリカの石油禁輸と日本の対米開戦決断の関係については誤解している人が多い。日本はアメリカが石油を全面禁輸したのに逆上して開戦決意したわけではないし、テキサスの油田を取るために開戦決意したわけでもない。 戦前日本の石油自給率は低く産地は僅かに新潟と北樺太(ソ連領であったが日本は石油採掘利権をもっていた)だけであったし、比較的近い石油産地と言えば蘭印(インドネシア)しかなかった。しかも宗主国オランダは前年5月ドイツに占領されたので蘭印は半分空き家というのが日本の認識であった。 そもそも日
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