高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題を引き起こした日本原子力研究開発機構と、監督官庁の文部科学省が、機構の安全管理の状況に関し、毎年「順調に実績を上げている」などと甘い評価を続けてきたことが分かった。機構理事長の鈴木篤之氏が十七日に辞任し、一定のけじめをつけた形だが、現実を見ようとしない緩い組織の体質が改まるかどうかは疑問だ。 (加賀大介、榊原智康) 機構の業務評価は二〇〇五年の発足以降、機構による自己評価と文科省の有識者委員会による二本立てで実施してきた。安全面のほか、もんじゅ研究開発や業務効率など約四十項目ある。