「美白」トラブル 相談情報を軽視していないか(7月26日付・読売社説) カネボウ化粧品が製造販売する美白化粧品の使用者の間で、肌がまだらに白くなる「白斑」の被害が相次いでいる。 これまでに6800人以上から被害の訴えがあった。このうち、2250人は3か所以上に白斑が表れるなど、比較的症状が重いという。 被害を拡大させたカネボウの責任は重い。原因解明を急ぎ、被害補償にも万全を尽くすべきだ。 問題が明るみに出たきっかけは、今年5月、皮膚科医からカネボウに「製品を使用した患者3人に白斑の症状が表れた」という連絡があったことだった。 カネボウは実態把握に乗り出したが、問題の製品を自主回収するまでに2か月近くを要した。その間、消費者には被害情報を何ら明らかにしなかった。 阿南消費者庁長官が「もっと早く公表すべきだった」と批判したのは当然である。 使用者からの過去の相談対応にも問題があった。カネボウが