大学生と就職 学んだ成果も評価する採用に(9月3日付・読売社説) 「大卒」の肩書は、もはや就職の保証にならないということか。 文部科学省の学校基本調査で、今春に大学を卒業した学生のうち、12万8000人が安定した仕事に就いていないことがわかった。 大学院進学者(7万6000人)を含む全卒業生56万人の約2割が、非正規労働やアルバイト、進路未定者の計算になる。 文科省が、「極めて深刻な事態であり、改善が必要だ」と懸念するのは当然だ。 経済状況が好転せず、雇用環境は依然として厳しい。一方で、学生の間に知名度の高い企業を志向する傾向も根強く、採用を希望する中小・中堅企業とのミスマッチは解消されてはいない。 就職先が決まらず、途中で就職活動をあきらめてしまった学生も少なくないようだ。 各大学は、厚生労働省が設置した若者向けのハローワークなどと連携し、粘り強く就職活動の支援・助言を続けてもらいたい。