猪瀬氏の5000万 「借用証」でも疑念は消えない(11月30日付・読売社説) 巨額の借入金の趣旨は何だったのか。最初の釈明記者会見から1週間が過ぎても、疑念は一向に消えない。 強制捜査を受けた医療グループ「徳洲会」側から5000万円を受け取っていた東京都の猪瀬直樹知事が、都議会の所信表明で改めて「個人の借り入れだった」と強調した。 これまでの釈明の域を出ない内容に、議場から激しいヤジが飛んだ。各会派が「説明不足だ」と反発したのはもっともだ。 猪瀬氏は26日の記者会見で、現金授受の際に記入したとする「借用証」を公開した。貸金庫に保管していたという。 貸し手の徳田毅衆院議員の名前と日付が印字されているほかは、金額と知事の署名があるだけだ。返済時期や利子の記載もない。 これが本物であるとしても、借用証だけでは、「選挙運動のためではない」という猪瀬氏の主張が証明されたとは言えまい。 猪瀬氏は現金受