減胎手術 生命倫理に関する議論深めよ(8月14日付・読売社説) 「生命の選別」という重い課題が突き付けられたと言えよう。放置することはできまい。 女性が双子以上の多胎児を妊娠した際、病気や異常がある胎児を選んで中絶する減胎手術が、これまでに36例行われていた。実施した長野・諏訪マタニティークリニックの根津八紘院長が公表した。 多胎妊娠は、不妊治療に伴って起きやすく、早産など母子の健康面でも危険性が高い。対策として、一部の胎児を薬で中絶し、胎児の数を減らして出産させるのが減胎手術だ。国内では根津院長が1986年に初めて実施した。 胎児の健康状態を調べる出生前診断技術の進歩が、問題の背景にある。妊娠中の超音波検査が普及し、胎児の異常を見つけやすくなった。4月には、ダウン症などの有無が血液検査でほぼ確実に分かる新型出生前診断も始まった。 出生前診断について、日本産科婦人科学会は6月、高齢妊娠など