「もんじゅ」 安全意識の抜本改革が必要だ(5月17日付・読売社説) 事実上の「運転禁止」となる深刻な事態だ。 福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」に対し、原子力規制委員会が、運転再開に向けた作業の停止を命じることを決めた。あまりに点検がずさんだったためだ。 今年1月、「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構が約1万件の点検漏れがあったことを原子力規制庁に報告した。さらに、その後の規制庁の立ち入り検査で、非常用電源機器など重要設備の点検漏れも判明した。 設備の点検は、安全確保の根幹だ。原子力研究の中核組織である原子力機構で、その基本がないがしろにされていたことになる。 厳しい措置はやむを得まい。 もんじゅは、ウラン資源を有効活用する核燃料サイクル開発の要となる原子炉だ。 試験運転から間もない1995年のナトリウム漏れ事故で10年以上、止まった。2010年に運転を再開したが、核燃料交換装置の