医療事故調査 機能する制度へ課題は多い(8月25日付・読売社説) 重大な医療事故を防ぐための制度となり得るだろうか。解決しなければならない懸案は多い。 病気の治療で患者が死亡した際、原因究明と再発防止を図る「医療事故調査制度」が作られることになった。 厚生労働省は、専門家による検討会が公表した報告書を基に、制度の概要を定めた医療法改正案を取りまとめる方針だ。2015年度の創設を目指す。 患者の信頼を得られる制度にすることが何より大切である。 医療事故による死者は年1300~2000人と推計される。 医療事故が起きた場合、患者側は損害賠償請求訴訟や刑事告訴など司法手続きによって原因解明を求めるのが一般的だ。 だが、裁判では医師や看護師の責任の有無に判断の力点が置かれる。必ずしも事故の教訓が再発防止に生かされていない。 新制度では、死亡事故が起きた医療機関に院内調査を義務付ける。医療機関は調査