原発停止決断 丁寧な首相説明が欲しかった(5月10日付・読売社説) 中部電力が9日、静岡県の浜岡原子力発電所の全面停止を決めた。 菅首相が6日に行った停止要請を受け入れた結果である。 浜岡原発は、今後30年以内に87%の確率で起きるとされる「東海地震」の想定震源域の真ん中にある。日本の大動脈である東海道新幹線や東名高速道路にも近い。 地震や津波で東京電力福島第一原発のような大事故を起こした場合、深刻な事態を招きかねないだけに、やむを得ない選択だ。 だが、首相の要請は事前調整もなく、あまりにも唐突だった。 国のエネルギー戦略の柱である原発の将来を左右する政策を提起したのに、政府として正式な決定も行っていない。 単なる行政上の要請では、株主などに責任を負う民間企業として判断に迷う事態だろう。中部電力が2度にわたって取締役会を開いた末に受け入れたことを見ても、苦渋の決断だった。 今回の首相要請は