東芝は12日、子会社の米原子力発電会社ウェスチングハウス(WH)で原発建設などが思うように進まず、2012、13年度の2年間に計約13億ドル(現在のレートで約1600億円)の巨額損失を計上していたことを初めて明らかにした。 その結果、WH単体は両年度とも税引き後利益が赤字になっていた。これまで具体的な情報を開示しておらず、むしろ事業が順調に進んでいるように説明してきた。投資家にとって重要な情報を開示してこなかった東芝の姿勢が改めて問われそうだ。 東芝は、約7年間で2000億円を超える不適切な会計処理が発覚し、歴代3社長らが辞任に追い込まれた。複数の関係者によると、一連の問題を調べた弁護士らで作る第三者委員会でも、WHの損失の存在を把握し、問題視する声もあった。しかし、東芝がWHの損失を調査の対象外としたことから、第三者委の報告書に盛り込まれなかった。 WHは11年の東日本大震災の影響で、原